第九百十九話 人口増加
パン粥
R5・3・29(水)1125
ヤポーネ エリア ヨンコク エッヒメンズの地 マツヤマン国
移民団移送の為、港の沖にスズキンが率いる船団が停泊していた。
教団直属になっての初任務で有理、スズキン達の士気は高かった。
スズキンは港に集まる人々を見て「そろそろだな」と言うと先頭の船に接岸する様に指示を出す。
接岸すると人々が船に乗り込み、乗船率が高まると先入りしたチュアムが待つエリア チューゴクゴク ヤナイイン国へと出航して行く
行ったり来たりのピストン輸送パート2が開始された。
一方、チュアムはヤナイン国の港から離れた所に給水所を設けてここで簡単な食事を採らせてトクヤマン城を目指す。
支援物資で中々消費されない黒くて固いパン&乾パンを脱脂粉乳と煮込んでパンがゆにしていく
一手間加える事で柔らかく体や胃にも優しくなり、長期進行で疲れた移民団を癒す食材に変わった。
みんなで味見をして見ると意外と美味しいと口々に言う
タイ料理が好きなチュアム的にはガツンと来る燃える様な「辛さ」が欲しい所では有るが、やればやったで「ええー!?」となるのが見えているので、そこはみんなに合わせる。
ただ、塩分が無いので乾燥豆を塩茹でして彩り兼タンパク質として中央に散らせる事にした。
えんどう豆 所謂グリーンピースをはじめ、そら豆、ひよこ豆、レンズ豆「※別名 平豆」、ウラド豆「※別名 毛蔓小豆」、手亡「※別名 白隠元豆」、花豆「※別名 紅花隠元豆」、白花豆、金時豆、うずら豆、とら豆、パンダ豆、大豆に小豆に落花生と様々な豆を塩茹でしていく
緑に白にベージュに黒、小豆色に白黒、虎柄にと様々な色合いになる。
肉、魚が無い場合、保存のきく豆類は貴重なタンパク源として非常に優秀で有る。
出来上がりと共に沖に船が見える。
接岸されると人がドッと出て来ると、皆、手を合わせチュアムの元に真っ直ぐに来る。
チュアム
ここで軽食を食べたら、一緒に出発しましょう!
人々はチュアムの声に笑顔になる。
各自が自前の器やボール皿やカップを出して並び、パンがゆを入れてもらい、隣で色んな豆の塩茹でをパラパラと乗せてもらうと、子供を中心に喜ばれた。
やはり、彩りは大事で有る。
子供達が大人に聞く、この豆は何?と
あちこちで、「これはとら豆だよ」とか「落花生の塩茹でだね、お母さんが子供の頃よく食べたんだよ?」や「白隠元(しろいんげんだね、お父さんも初めて食べるよ」とあちこちで豆の話題が上がっていた。
職員達は手間が掛かったが塩茹での一手間が良かったと思えるシーンであった。
一方、トクヤマンを中心にコーメーの畑で取れた水菜、数十トンを初め出荷ラッシュが始まり、葉物を中心に高騰していた食品の価格が下がり出した。
先ずは適正価格でルビーメイ領が買い取り、余剰分を市場に流す。
さらに、大移民団が移動してるのを知った商人達が大量の様々な食品を持ち込んだ為、食品価格は少し高めの程度まで落ち着き出した。
従業員やホテルの宿泊客のメニューはサラダや鍋、炒め物と水菜メニューが続くが鮮度が良いので美味しく、クレームは無かった。
思った程、高値では無いが商人達も儲けが出るのでドンドン売る。
その相場の推移を見ながら、思惑通りのルビーメイは「よっしゃー!」と拳を突き上げるのであった。
そして、黒の女王様率いる団体様が着いたら食品が高騰するのを見込んで、家臣達には儲けるチャンスだと言って聞かせ、更に増産体制を整え自らの畑も芋や南瓜の大量生産に入るのであった。
ハンベー&クロカンの共同経営の鶏卵場では肥料用の鶏糞が飛ぶように売れ、鶏卵販売以上に稼ぎを生み出していた。
ヒデヨッシーの家族経営の放牧場では牛乳が取れ始めると玉子を買い取り「プリン」作りを提案し、エイッチャーとアーニャは収穫出来る植物油と玉子からマヨネーズを作る構想で商品価値を上げる作戦で、正式に契約を結んだら、ハンベー&クロカンは玉子の殻を引き取って砕いて鶏糞と腐葉土に混ぜて肥料の価値を上げる腹積りであった。
なんだかんだで大商業圏が出来つつ有るルビーメイ領であった。
参照
豆の種類「公益財団法人 日本豆類協会」
https://www.mame.or.jp/syurui/
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