第九百八話 兄弟愛
スイーツパラダイス
前回からの続き
ヤポーネ エリア チューゴクゴク ヤーマングッチの地 シューナーン国 トクヤマン港
ヨシテルン&ヨシアッキン兄弟は書状を書いていた。
旧知のキョーノミヤーコンの地やオッキナサカの地にいる菓子職人数名に宛てた書だった。
内容としては今、身を寄せているルビーメイ領内において、人口爆発、対宇宙、南極を始めとした交易で和菓子や洋菓子の需要が高まりつつある事が綴られていた。そして、最後に決め台詞が書かれている。
「雇用、治安は我ら兄弟が責任を持つ故、この地より日の本を代表する作品作りに携われる者が入れば紹介を願いたい。」
ヨシアッキン
これで職人心が揺り動かされるでおじゃるな
ヨシテルン
送り込まれる者は其れ相当の実力者になるであろう
後は姫様に許可をもらって書を出すのみ
ヨシアッキン
早うこの地で和菓子や洋菓子に舌鼓を打ちたいものでおじゃりますなぁ、兄上
ヨシテルン
早るでない、まだ書も出しておらぬぞ、良いお茶を揃えておくとするかw
ヨシアッキン
お茶の備えですか?兄上こそ気が早いでおじゃるw
ヨシテルン
ふふふ、苦めのお茶にあまーい和菓子、早う食べたいものじゃ
ヨシアッキン
なら、洋菓子用の茶葉は麻呂が揃えるでおじゃります。
口の中が何やら甘あなってきましたぞ。
ヨシテルン
書も認めた事であるし、茶を振る舞おう
そう言うと、秘蔵の茶碗を用意する。
ヨシアッキン
久し振りの兄弟水入らずでおじゃりますなぁ
ヨシテルンは「そうであるなぁ」と茶を差し出す。
「弟よ、いつも苦労をかけて済まぬ」
ヨシアッキン
何を申されます、苦労など・・
少し言葉に詰まる。
ヨシアッキン
兄弟二人でどんな苦難も乗り越えてみせます。
幸いにして、新天地のここでは雅やかとまでは行きませぬが、何不自由無い暮らし、食事も美味しく、兄上も居られる。
満足でおじゃります。
ヨシテルン
そう言ってくれるのか・・有難い。
ヨシアッキン
湿っぽい話しになりましたなぁ、兄上もお茶を、冷えるでおじゃりますよ。
ヨシテルン
うん、頂こう
「弟には苦労を掛けっぱなしであるな、この機会に勲功をあげて少しでも良い暮らしをさせたいものじゃ」
ヨシアッキン
「先の戦の敗因は麻呂にあると言うのに、兄上は自分を責めすぎる、何とか報いらねば」
お茶を飲み終えた二人はルビーメイの下に手紙の内容説明と出す許可を取りに行く。
ルビーメイ
仕事が早いね。
それでお願いします。
あ、それと、職人さん達が来る事になったら、職人街の管理を二人にお任せしますのでお願いします。
ヨシアッキン
菓子職人でおじゃりますか?
ルビーメイ
砂糖の製糖職人や燻製工場の人々やその他諸々の方が住む町に工場や工房を作ります。
二人には教育分野での功績も目覚ましいので、そこの管理と言う名の褒美ですね。
ヨシテルン
あ、有難い御配慮
ヨシアッキン
有難い、有難い事でおじゃる
ルビーメイ
まあ、まだ何も出来て無いんだけどね。
よろしくね。
兄弟の顔も心も晴れやかになるのであった。
不定期UPになりました、出来るだけ0時UPを心掛けます。
ご迷惑をおかけ致します。
誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。
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