第八百九十七話 大規模輸送計画
再出発
ヤポーネ エリア トウカイン シーズニング・オカーンの地 ヤヤイヅ国
サワット チュアムとアビィン亜里沙は同行する黒色教徒や教団幹部等を休憩させる為にヤヤイヅ国にある阪本大権現のお膝元で休憩を数日間取った。
出発当日に阪本大権現の社に旅の安全を祈りそのままナールトン国までノンストップの行進を予定していた。
ナールトン国はエリア ヨンコクのトークシーマンの地にあり、どうしても海を超える必要があった。
船をチャーターするにも人数が多過ぎて予算面で悩んでいた所、トクヤマンに先入りしている伝説者に相談した結果、林田 蒼楽から妙案がでた。
「今ってドラゴンの伝説者連絡網って遊んでるんだから、ドラゴン達にお手伝いして貰えば?」
幸いにもドラゴンの全て(クロ、アカ、シロ、アオ、シュナタン)が揃っていたので話しはすんなり通った。更にクノールン商会からも帆船だが5隻、ルビーメイ領所有の魔法船1隻に帆船1隻、南極統一王国から魔法飛行船1隻を無償で出してくれる事になった。
ドラゴンだけでのピストン輸送では一度に10人が限度なので船と飛行船は大きい
黒の女王様一向がエリア カンサイン もワカンヤンマーの地に入った時点で船がワカンヤンマー国へ向かう段取りとなった。
ドラゴン達も船に揺られて行くそうだ。
混乱を避ける為、ワカンヤンマー国 〜 ナールトン国の大規模ピストン輸送計画をワカンヤンマー国はじめ周辺国へ通達は開始した。
その数は100万人を超えていた。
100万人の大移動、まさに未知の領域であり、どんな問題が出るかも想像出来なかった。
この周辺国への通達が上手く作用する。
ヤポーネ統一内閣政府を筆頭に海上自警隊に近隣国や民間船団、商団、海賊までもが「これを機に足を洗う」と船の提供を申し出てくれた。
東西が統一された巨大組織の黒色教や飛ぶ鳥落とす勢いのルビーメイ領やクノールン商会、南極王国とパイプを繋ぎたいとの思惑も見え隠れしている。
その一つにクマノン水軍と言う海賊集団がいた。その頭領は代々スズキンと名乗る者が継いでいた。
頭領、いいんですかい?
代々続く独立した水軍衆をどっかの傘下に?
スズキン
少し前まではエリア チュウゴクゴクでは海戦や海上輸送に引っ張り凧だったのに、今や依頼は無く海賊行為も出来やしねぇ
海上輸送もルビーメイか黒の女王様の認可が無けりゃ航行も出来やしねぇ
お前らもわかってんだろ?
時代が変わりつつある事を?戦国の世も終わる前にどっかに滑り込まねぇと一族郎等、水軍全体が生き延びられねぇ
一人の幹部が聞く
どこに滑り込むつもりで?
スズキン
聞けば、統一黒色教団もルビーメイも正規の水軍が無ぇ、これはチャンスじゃねーか?
黒色教団は内閣政府、防衛省や海上自警隊の影がチラついてやがる。
幹部
って事は悪女のお姫さんって事か
スズキン
ルビーメイは評判の悪さじゃウチ以上だ、まだ、俺らの方が上品じゃねぇか?
それに俺らには諜報能力と海上能力がある。
幹部
上手く売り込めば欲しがると?
スズキン
ああ、その為の今回の輸送ボランティアだ
女王様の覚えがめでたくなれば、推薦状も狙えると踏んでいる。
どの道このままじゃあジリ貧だろ?
本音を言えば女王様から海上の聖騎士にでも任命してもらえれば大手を振って暮らせるがそこまで上手くは行かねーだろうな。
・・だが、やるしかねーだろ。
話し合いの場に居る者達は静かに頷く
生き残りを掛けた者や様々な思惑の者が思いを秘めて策略を練り始めていた。
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↑これ、後書きの方がいいんじゃね?と言われたので前書きから移動します。




