第七百八十八話 キズナ ミライ
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シーサイドホテル
R4・6・20(火)1300
エリア チューゴクゴク ヤーマングッチの地 シューナーン国 トクヤマン
トクヤマン城下の港、トクヤマンクダンマツ港の近くに本日簡易的ではあるが宿がオープンした。
ルビーメイの直営の宿である。
と言っても平屋で個室にはベッドのみ、共同トイレに共同浴場に日替わり定食オンリーの食堂である。
事の発端は遅々として進まぬ開発計画プラス、ナンシーンの一言「料理って城内でないとダメなんですか?」そして、チュアムと亜里沙から「クノールン商会の船に給水って出来ないですか?」とスマホにメールが来る。
これで何か施設を作ろうとなり、ルビーメイの過去の記憶に川が氾濫したのが鮮明に残っていたので川から用水路を作り、給水用の水を確保しつつ治水する、ついでに宿用の浴場や調理用の水源にした。
平屋建てではあるがお一人様の個室が10部屋、最大5名収容可能な大部屋が二つである。
ルビーメイのゴリ押し魔法によって一瞬で完成した。
一階石材平屋立てなのに名前はゴージャスな「シーサイドホテル ルビー」
ゼネラルマネージャーにナンシーン、料理長はルビーメイ、フロントはエイッチャー、風呂番はタンゲンであった。
ナンシーンから文句が出る。
なんで直営でルビーの名を冠してるのに総責任者が私なんですか?警察、港湾の責任者も私なのに!
ルビーメイ
えー、だって何もしてないから。
それに監視塔に近いから報告もスムーズでしょ?
ナンシーン
な、何もして無いって!
時々様子見に行ってるから!
ルビーメイ
うん、聞いてるよ、仮眠室で転がってるってw
働け!
ナンシーン
ぬ、ぬぬ!うーん・・
エイッチャー
ふはは!無駄な足掻きせんと諦めときって!
と言う訳でナンシーンGMのテープカットでシーサイドホテル ルビーはオープンした。
コンセプトは「安くて美味しい食事と安眠を提供」
戦地では非常に有難い、安心の食と睡眠を全面に押し出した。
足りない人手は南極やプルスウルトラの世界同様にゴーレム召喚をした。
今回はロボット系ではないゴーレムを2体召喚した。
ルビーメイ
よし、初音ミクとキズナアイの2人でみんなの手助けをよろしくね。
2体はコクコクと頷くと早速ベッドメイキングへ向かった。
以前同様、意識共有できるのでなんかあった時は呼んでもらう事とした。
一泊、個室で夕食と朝食セットで3万5千円である。
高いと思われるかも知れないがハイパーインフレでカビた固いパンが2、3万円もするこの地域なら格安と言える。
何故、格安に出来るのか?それはスガールの食糧調達が大きかった。
既に干し肉や魚の日干しなら大量にある。
定期的に商船が寄港する事で、新領地や同盟国へ物流が流れ出し、拠点になりつつあり様々な品が集まりだしていた。。
そして、先行投資的に統治下となったクダンマツ国とヒカリノ国の出張所もできていた。もちろんホウフン国も建設予定だ。
この地を中心的にインフレが治りつつあった。
今やカビた固いパンはトクヤマンでは買い手が無かった。
そして、スガールを中心にした新事業のフェリーターミナルと大規模駐車場の完成を見越してルビーメイはお金を溜め込んでいた。
フェリーターミナルさえ出来れば、そのまま大型船でヨンコク 大陸等へ買い付けに行けると確信があったからだった。
16時になると、ルビーメイは「チャンチャンチキチキバンバン♪」と鼻歌混じりにフロントへ赴くとフロントマネージャーのエイッチャーに聞く
ルビーメイ
流石に初日に宿泊は無いか。
エイッチャー
師匠、そう思うやろ?4名様ご宿泊やで!
料理長、頼んまっせ!
ルビーメイ
へー!初日から幸先いいね。
みんなの分とプラス4人分ね。
厨房へ戻ると本日の食材を見る。
ふむふむ、日持ちのしない水菜とそろそろ使わないとヤバスな春菊、干し猪肉、これは平茸かな?あとは転がってるジャガイモとメークインとさつま芋に、袋の中身は大豆ね。
うーん、猪は匂いがあるから春菊と煮た塩スープにして、水菜はポン酢サラダだな・・ポン酢が無いから醤油と酢と出汁で作って、で、平茸を炙り焼きにして・・メインには弱いからマッシュポテトを添えて、米1に対して0.25の麦と蕎麦の実でなんちゃって雑穀米と糠漬けでいこう!
朝は麦飯と漬物、蕎麦の実と水菜のすまし汁にサツマイモのレモン煮・・レモン無いから酢で行くか、大豆とスライス平茸の醤油の甘煮・・ひじきが欲しい所だけど無いからしゃーなし、メインはメークインの細切りと春菊の塩炒めで行くか、うん。
意識共有するとキズナアイがフロントにいたので夕食と朝食メニューを書いてエイッチャーに渡してもらう
じゃあ、下準備から始めるか。
ルビーメイは米を研ぎながら工程を考える、この後は汁物やっつけて、炊飯開始、サラダ用の水菜は浸漬して冷やして置いてポン酢作りながらじゃがを蒸して、漬物切って平茸炙って、水切りした水菜カットしてポン酢かけて終わり!っと
ここでお手伝いにお婆さんと女の子がきたので工程を伝え、問題無さそうならスタートで有る。
この単純なメニューが戦乱の続くエリア チューゴクゴクでは考えつかなかった、パンがあの値段である、料理や調理自体が珍しいのは察しである。
生きるだけで精一杯の世界ではそんな余裕は無いのであった。




