第六百六十二話 現金輸送
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やっとこさ
R４・２・１４（月）０９３０
エリア カンサイン オッキナサカの地 ヒラヒラカタ国 クノールン商会本店
クノールン商会本店の近くに有るヨドン川に足の早い中型船が接岸されていた。
長兄のケイジーンとその下の長女のカオルーンは兄弟達が全国を走り回り掻き集めた５千兆円を持ってキリリンシマ国へ出航しようと積荷を行っていた。
ヨドン川を下り、オッキナサカ支店、トークシーマンの地 ナールトン支店、ツートンからオッキナサカ支店経由で連絡の有ったエダジマン国からキリリンシマ国と通るルートで有った。
カオルーン
ケイジーン兄さん、えらい遅うなってもうたけど先方さん、大丈夫なん？
ケイジーン
うーん、幾ら何でも時間かけ過ぎやな。
ここはナールトンの亜里沙様にご挨拶しつつお知恵をお借り出来んかな？と思うてる。
カオルーン
苦しい時のってヤツやな。
上手いこと行けばええけどな・・あ、積荷、終わった見たいやで？
これ以上、遅うなるんもアレやし、出航しよ！
ケイジーン
そやな、先ずはオッキナサカ支店に向けて行こか。
船はヨドン川を下り出した。
交通量の多い川であり、帆船、手こき船、魔法船と足の早いのから流れに任せたのまで様々な船が航行していた。
一隻だけ飛ばす訳には行かず帆船などに速度を合わせて川を下る。
カオルーン
五千兆円積んでるとおもたら、ドキドキやな！
ケイジーン
そやな、まあこの辺りの交通量では海賊は出るに出れんから、そっちは安心や。
カオルーン
オッキナサカ湾を出てからが怖いって事？
ケイジーン
ゆうても、交通量多いし海賊の話し自体聞いた事ないなぁ
念の為、高速運行で一気に行くけどな。
カオルーン
あ、もうオッキナサカ国が見えてきたで
ここで降ろす積荷の準備やな。
オッキナサカ支店からも船が確認出来ると、出荷したい物が積荷に選ばれる。
接岸すると積荷を降ろし伝票を渡すと、新たな積荷と伝票が渡された。
ケイジーン
積荷はなんや？
カオルーン
お菓子やな、粟おこしとかの詰め合わせや、後は泉州の蜜柑とタオル、建具類やね。
ケイジーン
粟おこしを教団へのお茶請けにしよか。
カオルーン
せやけど、兄さん何で平気な顔でおれんの？
うちは積んでる金額考えたら・・ふー
ケイジーン
え？ああ、６千兆円もしたピンクダイヤとウロウロしてたから感覚、おかしなってんのかもな。
カオルーン
ピンクダイヤモンドの塊ってどないすんの？
ケイジーン
小さいかけらとかは加工したさかい、既に流通してんのちゃうかな？
カオルーン
そういや、ピンクダイヤのペンダント、一つ乗ってんな？
で、大きいのは？
ケイジーン
ペンダントは亜里沙様への寄贈品や。
ピンクダイヤ本体は南極でやった様に展示物として全国回る予定やな。
カオルーン
ちょ、６千兆円で落札した物、持って全国回るんかいな？
こわー
ケイジーン
まあ、それも考え有っての事や、ナールトンで亜里沙様のお返事次第やけどな。
お、そろそろ出航や、こっからは全速前進やで！
一気にナールトンへ向けてヨドン川河口を走り出す魔法高速船で有った。
