第六百十六話 年末年始もやってます
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前回の続き
ヤポーネの世界 エリア トウホックン アオーン・モーリンの地 ムッツン国
大寒波による雪害がムッツン国を襲った。
深夜から朝に掛けて災害派遣での雪害対策部隊は警察、消防、海保、役場の災害課と一体での孤立家屋への声掛け、避難所への誘導、雪掻き、傷病者等の移動支援、炊き出しと多岐にわたった。
交代制で冷え切った場所での重労働を行った者達が暖を求めて教団施設にやってくる。
警察、消防、海保、自警隊、役場の職員と次々と交代で入っては出て行く。
チュアム自身も先頭に立ち、災害派遣チームが来ると暖かい所へ誘導し、熱い茶を振る舞う。
災害派遣チームの面々は暑いお茶を飲むと本来なら温泉に入り、仮眠室を利用する手筈だが極寒の中、極限下の重労働が応えて、いつの間にか椅子に座ったまま落ちていく。
チュアムは知っている。
自らが自警隊に席を置く者として、この者達が過酷な責務の中、人知れずにどれほど頑張っても賞賛も無く、当たり前だと思われている事を
中には対応が悪いと責める人がいる事を・・志しが無ければやってられない仕事である。
眠る者達に対してせめて静かにしようと教団職員達は心掛ける。
正に官民一体での自然災害に立ち向かうのであった。
チュアムは厨房へ移動すると大鍋の様子を見る。
小豆と砂糖が煮込まれ、その横で板長が網で餅を焼いていた。
板長
何人分いきましょうか?
チュアム
休みの深夜にゴメンね。
6名分、お願いします。
板長
それは言いっこ無しですよ。
焼餅の入った善哉と割り箸が六っつトレイに並ぶとチュアムはそれを持って椅子で落ちる者達にどうぞと静かに渡し、起こす。
中にはチュアムに気付かず受け取りそのまま、力無く食べ始める者もいた。
食べると少しは目が冴えてくる、そのまま温泉に行き体を温め、仮眠室へと重い体を引きずっていく。
ほんの数時間で交代となる。
チュアムはいつも歯痒く思う
異世界召喚されて、東の黒の女王として信仰対象にまでなり、かなりの影響力が有る筈なのに彼らに何もしてあげられない。
現実世界の日本でも自衛隊、警察、消防、海保がそうだったのを今更ながら気付く。
タチが悪い事に現実世界ではプロ市民が率先してどこか海外からの赤い資金を元手に大暴れする。
よく言う、基地や施設に反対する地元民達は「彼らプロ市民が大挙して来る」から反対するのである。
日本では報道にすら取り上げられないのが現状であった。
チュアム
せめて此方の世界ではそんな事はさせない、絶対に!
そう熱き思いを心に秘め、熱い善哉を食べるチュアムであった。




