第六百五話 五体投地
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原因
R3・12・19(日)0850
異世界プルスウルトラ ジャスティス王国 都市ジャスティン ジャスティン城内
二日目のオープン時間が迫ったアトラクション施設ジャスティン城の前に長蛇の列が出来ていた。
懲りずに外交の使節団も並んでいる。だが、既に対策済みであった。
正門の前に大きく書かれたポスターが目を引く
「総統閣下は女神タアーン様に召喚された方ですので拝謁は出来ません。詳しくは女神タアーンまで」
ポスターが見える位置に来た使節団の外交官や特使達は頭を抱える。
つまり、会いたければ女神に聞けと言うことである。
開門を告げるファンファーレが鳴り響く
外交官達も入場したものの庭園のベンチに座り途方に暮れる。
謁見の間の玉座には王弟が座って来城者を待つ、横の奥にはテーブルを挟んでお茶を飲む交代要員の当番大臣と王がいた。また久米も様子伺いで来ていた。
窓からこっそりと庭を三人で見ると外交官達が唸っているのが見える。
久米
おっ!効いてる、効いてるぅ!
当番大臣
これで本来の運営になりますな。
王も頷いていた。
本日の謁見者第一号がやって来た。
謁見者
王弟殿下の御尊顔を拝謁でき有難き幸せ!
王
ゲッ、あいつは森林王国の特使
久米
さっぱり効いてない・・
王弟は顔色が曇る。
王弟
遠路遥々の訪問、痛み入る。
ゆっくりとして行かれよ。
森林王国の特使
卒爾ながら申し上げます。
宰相役大臣
これ、発言は許可しておらぬぞ!
王弟
待て・・
総統閣下への拝謁は出来ぬのを理解しておるのなら発言を許可しよう。
森林王国の特使
ご配慮に感謝致します。
先ずは我が国及び国王の謝罪状をお渡しくださいませ!
宰相役大臣
謝罪状?・・な!
内容を確認した宰相役大臣の目がカッと見開かれ、久米の顔を見る。
久米
何だ?
王弟は手渡された謝罪状に目を通すと思わず立ち上がった。
王弟
貴公!
これがどう言う事か理解しておるのか!?
森林王国の特使
何卒、平に、平に願います。
森林王国の特使は土下座ならぬ土下寝の五体投地で伏している。
王弟
謁見控え室にて待つが良い。
森林王国の特使は「ははあ」と下がって行った。
王弟は久米に謝罪状を渡す。
久米
!・・なるほど、何故、必死なのかが分かった。
王
一体何が書かれているのですか?
久米はテーブルの上に謝罪状を広げる。
先の怪獣大戦争でキングコングを召喚し、差し向けたのが森林王国であった。
森林王国は無条件降伏したいと書いてあった。
ゴジラは海上都市連邦の差し金と言うのも分かった。
王
成る程、謝罪の為の訪問であったか・・総統閣下、どう審判を?
久米
海上都市連邦って使者が来てないよな?
王弟
海上都市連邦め、ナメやがって!
総統閣下、カチコミましょう!
久米
まあ、そう熱くなるなよ。
良い方法がある。
森林王国特使はゲストルームに移動させて「明日、沙汰を伝える」と言っておいてくれ。
閉城後、皆に内容を話し、対応策を伝える。
それまでは通常業務だ、気持ちを切り替えてくれ。
そして、次の拝謁者として杖をついた一般の高齢者がプルプルと震えながらやってくるのであった。




