第六話 上手くいったぜぃ!
第六話
ゴネる神
固まっていた、ほんの五秒位だった。
その時、滑り台の上の手摺にいつの間にか戻って腕を組んで立っていた林田 蒼楽が指を指して言う
いやいや、カスってるし!今の無しって意味わかんないし!おかしいっしょ?
久米 慶人も、とりま、合わせとく、だ、だよーねー!っと
一撃しか参加してない水崎 叡が言う、いやいやいや、おかしくねー?カスってるし、カスってるしー!
丸山 岬丸が言う、約束守らねぇ神様って、どんだーけぇー?
JKハーフズは目の前で約束を覆す神に言葉が出ないようだ。
殊勲賞の山根 舞子が、ゼイゼイと息を整え、ツバを吐いて言う!
てめぇ、クソが何言ってんだ、ゴルァ、カスっただろが!
しかし、不貞腐れたアーベン神は言う
「今のは無し!」楽しくなかったし!もう帰ります。と
全員
ちょっ、ちょっと!
久米 慶人は焦った。
ココでゴリ押ししてもアーベン神は心を閉ざす一方かも!逃げられでもしたら、終了回避が出来なくなる。
傾向と対策として武神と言うだけあって闘うのは好きっぽいから、ココで一芝居、いっとくしかないなと、そして、皆に目配せして、両手を広げ、大袈裟にしゃべりだした。
おお!偉大なる武神、アーベン神よ!
我らが力量では楽しめないのも、当然と言えば当然
せめて、修行をしなおせば・・・少しは楽しまさせれたかもしれない。
修行をしなおす時間があれば・・・アーベン神の期待に応えられたと言うのに・・・時間が無いとは何たる不幸!
修行する為の時間を得て、結果として終了回避にと持ち込む作戦であった。
ん、なん・だ?・・劇が始まった・・・!!
他の六人もピンときたようだった。
せして、丸山 岬丸も乗ってきた、ワシも年じゃから動きに切れが無かった、もっと、若い頃の様に鍛え上げて、万全の態勢なら武神様に少しはマシな技を奉納出来たモノを・・・鍛え上げる機会が無いとは・・・無念じゃのー
山根 舞子も乗ってきた。
ああ、確かに足りねぇー、やり直せるなら、しっかりロードワークでスタミナ付けて、身体をイジメ抜いてから再戦出来りゃー、少しは納得の動きが見せれたのによ、タバコも辞めたばかりだし、スピードが乗ってなかったな。あーあ、リターンマッチがありぁ、燃えんのによ!
林田 蒼楽やJKハーフズも修行期間の短い若輩者ゆえ、鍛える時間が有ればと嘆いてみせる。そして、水崎 叡がもっと鍛錬出来ていれば、闘い方も変わったのに、悔やみきれねぇー!と言って見せた。
琴線に触れたのか、アーベン神が目を閉じ、うん、うんと、うなづき、そして、開眼し、話す。
ここにいる皆様方の覚悟を痛い程に感じ入りました。
わたくしとしても、納得出来る技へのこだわりは、同じで有ります。
まさに物作り日本で有ります。
何言ってんだよ!と、七人共、心の中で思いつつ、次の言葉を待った。
そして、アーベン神が言う、皆様方に修行と再選の機会を付与したく思います。
また、当然、その間は日本終了は無しとさせて頂きます。と
全員、しめしめ感を抑えつつ、やったった!と心中、万歳三唱状態であった。
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R2.6.12(土)一部、修正しました。