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武格者(ぶかくもの)   作者: 空銃(からづつ)
第十九章 生き物万歳
582/958

第五百八十二話 エルフの民

不定期UPになりました、出来るだけ0時UPを心掛けます。

ご迷惑をおかけ致します。

誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。

ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。   空銃からづつ

一時休戦



R3・11・26(木)1645

ヤポーネの世界 エリア チューゴクゴク ヤーマングッチの地 ハーギン国


クノールン商会の魔法船は一旦、キタンキューシン国で取引をし、ハーギン国に着くところであった。


ツートン

いやー、キタンキューシンでは、めっちゃ高値で生牡蠣が売れましたわ!!

亜里沙様の案で生牡蠣を網袋に入れて海中につけたまま運ぶっちゅうのが高値に繋がりました。

それに、隣に亜里沙様がおったらガメツイ商人あきんど達が大人しゅーて助かります。w


大量の米を買い付けて、潤沢な資金を手にしたツートンは終始ご機嫌だった。


反対に亜里沙は厳しい顔であった。


亜里沙

ヤーマングッチの沿岸部に入ってからはあっちこっちで火の手が上がってる。


ツートン

ああ、収穫した米や収穫前の米を狙ったものでしょう。

ヒドイ場合やと米蔵や稲穂焼いてもうて、どっちも飢えたままらしいでっせ。

略奪戦は何も産まんのに、ほんま、愚かでんなぁ。


ヒーデキン

亜里沙様、念の為に申しておきます、戦争に介入しては行けません。

どちらにも正義が有り、悪があるのです。

全体的な調停を呼びかける等の準備を我ら以外の勢力と足並みを揃えないと難しいですよ。


亜里沙

解っています。けど・・見るに耐えない。


サイサイ

もう数百年続いてます。

最早、呪いです。

互いに父が母が兄が妹が友人が隣人がと負の連鎖が続いてます。

私の様に故郷を捨てる者が後を絶ちません。


亜里沙

だからこそ!私がいる時くらいはいいでしょ?

目の前の殺し合いを止めれないで何が聖なる黒ですか?何の為の黒の女王ですか?


ツートン・ヒーデキン・サイサイの三人は絞り出す様に「亜里沙様がお望みなら・・」とだけ言う。


亜里沙

ツートンさん、この後の予定は?


ツートン

もう、夕方なので取引後は港の湾内に停泊する予定です。


亜里沙

取引価格でいいので、お米を一俵いっぴょう譲ってください。

取引後に炊き出しをします。


ヒーデキン

なりません!亜里沙様、紛争地帯で御身にて炊き出しなどダメです。


サイサイ

私も同意見です。


亜里沙

かまいません、自分の身ぐらいは守れます。

こう見えても伝説者レジェンダーで空手の有段者で聖女様です。


ツートン

〔あーあ、こうなると梃子てこでも動かんやろな。もうええわ!損して徳や〕

わかりました!お米一俵、ご寄進させて頂きます。

売りもんの食器も割らん様に使つこうたってください。

味気ないのんもアレですし、鳴門金時芋も10kg、ご寄進させてもらいますわ!


亜里沙

うおー、偉い!人間出来てる。

なんかあったらいつでも言って、協力するし。

みんな、手伝って!


サイサイ

ふー、やっぱりこうなった。

お手伝いさせてもらいます。


ヒーデキン

はい、喜んで。

こうなると思った。


黒の女王様の降臨で一時的とは言え、港一帯は平和に包まれた。


取引が終えると亜里沙達は炊き出しを用意し、怪我人や病人の看病をし、共に祈った。

兵達も武器を置き怪我人達に肩を貸し、全ての者が順番に並んだ。

皆、驚く程に痩せこけていた。


亜里沙

いつでもナールトンの亜里沙教団はあなた達を受け入れます。

戦いが嫌な者、疲れ果てた者、戦火を逃れたい者、その全てを受け入れます。


ツートン

亜里沙様!良えんでっか?難民が押し寄せまっせ。


亜里沙

いいんです。

それとは別に今回のクノールン商会のお心付け、忘れません。

あっ、クマモーン国に寄港をお願いします。

勇者 蒼楽そらさんにメールで相談したら、クマモーンの地の焼き物市を5日後から一週間行ってくれるそうですよ、茶器がメインだそうです。

流石はクマモーンの大殿ですね。w


ツートン

え?ホンマでっか!?それは助かります。

亜里沙様、仕事早すぎですやん。

〔流石は商業系女王様、早くも得したんちゃうか?徳を積んで得しろか・・〕


サイサイとヒーデキンは半笑いであった。

先の偽黒色教団での難民がやっと落ち着き始めた所に先程の発言である。

留守番幹部のマサッカネンやタカショタの驚く顔が眼に浮かぶ。


翌日、亜里沙達が出航すると敵味方、正規兵、傭兵と関係無く兵達はエルフの難民を連れてナールトンを目指す、最早、皆、戦いにはうんざりしていたのであった。

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