第五百四十九話 光り有る所に影有り
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光虫
R3・10・24(日)1630
エリア トウホックン アオーン・モーリンの地 ムッツン国
久米(G)はチュアムに保護され教団の事務室で飼育されていた。
ケースの中で水と餌である人参と胡瓜のスライスが置かれていた。
その中で一際、眩しく輝いていた。
久米(G)
うーん、人参と胡瓜ね。
好きかと聞かれればそれ程と言う所なのだがな。
まあ、贅沢は言えないな。
眩しくてGと気付かれて無いのが幸いだ。
職員達は時々目を細め眩しそうに見る。
狭い空間で安寧の日々が続くと暇をもて余してくる。
久米(G)
ステータスも見飽きたなあ・・魔法も使えないし喋れないし暇だなあ
寝るか、食べるかしかないだよな。
と言っても食べ物はビーガンメニューだし。
その時チュアムが顔を見せる。
チュアム
おお、光ってる光ってる!
事務長
見に来られたのですか?
チュアム
うん、もうすぐ事務所も終わりだから。
それにしても光り輝く眩しい虫って珍しく無い?
職員達は一様に頷く
事務長
そうですね、蛍とは違い目視出来無い光量
いったい何でしょうね。
これも聖なる黒のお導きですね。
久米(G)
あまり詮索されて正体がバレるのは勘弁してくれよ。
チュアム
あ、17時だね。
皆様、お疲れ様!定時退社、定時退社
食事に行こうっと!
最後に事務長が鍵をかけると静寂が訪れる。
久米(G)
今日も長い夜の始まりだ。
その時だった足がピクピクっとなる。
久米(G)
な、何だ?
その時久米は悟った。
寿命か・・Gとして天寿を全う出来た。
このステータスの引き継ぎはデカイぞ!
・
・
翌日、ケースの中で死んでるGが発見される。
チュアムや職員一同がその正体に驚愕する。
特別なのは解っていたので教団施設内で荼毘にふされた。
チュアムが筆頭に祈り捧げGとしては異例中の異例で小さな木製の記念碑も建てられた。
小さな記念碑にはこう記されていた。
「光り輝く謎のG、ここに眠る」
そして久米は宇宙空間のような場所に飛ばされる筈なのだが今回は違った。
光り輝く大きな部屋に精神体として存在していた。
久米
どう言う事だ?何だいったい、いつもと違うじゃ無いか?
その時謎の声がする。
?
おっつー!神様でーす。
久米
ん?アーベン神でもなくアキーエ神でもなくガースー神でも無い。
あ、察し!新しい日本の管轄神でしょ?えーっと、キシダーンとか?
神
何ですか、その「俺んところに来ないか?」みたいな名はw
私は運命の女神タアーンです。
久米
運命の女神タアーン様?
なんか今までの神様と色合いが違うと言うか別種と言うか・・
女神タアーン
おお!鋭いですね。
私は貴方の居た地球やヤポーネの世界とは違う世界の神様です。
久米
え?ドユコト
いきなり接触してきた異界の黒髪ショート、小麦色のツルペタ少女の女神タアーンは久米にとんでも無い話しをしだすのであった。




