第五百三十六話 悪の栄えた試し無し!
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山狩り
R3・10・11(月)0010
エリア キューシンズ クマモーンの地 とある山奥の山頂近く
洞窟内でジージーン事チーギューンは眠って居た。
彼は自然環境下で食事とその用意以外には特にする事も無く瞑想をする事が増えた。
最近は自分の生き方に疑問を持つようになり、いかに自分がクソだったのかを思い知らされていた。
もうこのまま山奥で仙人の様な暮らしで一生を終えても良いとさえ考える様になった。
しかし、それを許さない者達がいた。
暗闇の中、明かりも灯さず大規模な軍が動いていた。
勇者連合軍で有った。
7方向から同時進行で南にだけ逃げ道を残して追い立てる作戦で総勢1億5百万人以上の大軍団で有った。
東南、東、東北、北、北西、西、西南の各方面隊は千五百万人を配備し、0:30に松明を灯すと山狩りが一挙に開始された。
3時頃だった、チーギューンは何気にトイレに起きた。
用を足し終え戻ろうとした時に明かりの列が遠くに見えた。
チーギューン
山狩り?狙いは俺か・・
チーギューンは素早く武器を装備し辺りを見渡す。
北からの明かりがかなり近づいている、周りにも明かりが見てとれた。
チーギューンは迷う事無く南へ逃げ出す。
そこしか逃げ道が無かったからだ。
チーギューン
なんて数だ、本当に俺一人が狙いか?いやそんな事はどうでも良い、まだ死ぬ気が無いなら走れ、走れ!日が昇るまでに街中に潜り込まないと!
チーギューンはいつの間にかカーゴシーマンの地 キリリンシマ国に出ていた、キリリンシマの山道を進む途中、キリリンシマ神宮が有るが明かりが煌々と灯され鎧武者が多数見えた。
チーギューン
く、もっと山を降りねば。
彼は追い立てられる事で体力的にもキツくなり、思考能力も奪われ冷静な判断が出来なくなっていた。
キリリンシマの町が見えてくると既に東の空が滲み出していた。
最初に作業用の小屋が見えた。
中を覗くと荷物だらけだった。
ずっと走っていたチーギューンはここで休もうと小屋に入った瞬間だった。
ドンと背中に振動を感じた・・熱い痛みが走った!自分の腹から日本刀の切っ先が見える。
スギココロン
阪本様の仇思い知れ!
更に日本刀が深く刺し仕込まれる。
チーギューン
ぐっ、クソが!
そして、前の荷物の影から抜刀した者が襲いかかる。
トミーマーリン姫
許さぬ、許さぬぞ、チーギューン!
阪本様の仇討ちじゃ、覚悟!
チーギューン
がふっ、ここまで・・か、くそ・・が!
前からも刺されたチーギューンはここで散った。
トミーマーリン姫とスギココロン、後備えの林田蒼楽が僅かな手勢で唯一の逃げ道の先で息を潜めて待ち構えていたのであった。
林田 蒼楽
乙女の意地、確かに見届けました。
林田蒼楽が手を挙げると法螺貝の音が響き渡った。
作戦終了で有る。
チーギューンは首を刎ねられるとその場で晒し首として晒された。
ヤヤイヅ国に持ち込む段取りでは有ったが観光等の客商売なのでヤヤイヅ側が辞退した。
晒し台の横の立札には下のように書かれていた。
「この者、争乱を起こし戦乱を長引かさ、阪本大権現様を弑する大罪に付き晒し首とする。」 勇者連合代表 トミーマーリン姫
チーギューンの最後は意外と呆気なく終わったのであった。




