第五百三十二話 ピンク、イエロー、ブルー
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メシウマ
R3・10・7(木)1145
南極大陸 ヴォストーク国 中心部
タンゲンとリックマン(久米)とウーランは街に着ていた。
今回の目的は「シャインマスカット、アスカルビー、とよのか」の品種登録とダイヤを始めとする月の石や宝石類の売却で有った。
大八車に小山の様な物をシートに包んで運び込んだ、ウーランがいなければ出来ない芸当であり、正にウーラン様様で有る。
先に宝石と鉱物を買い取ってくれる何時ものお店に顔を出す。
ダイヤの山以外を持ち込み見せる。
店主はダイヤや金に目もくれずに約10cmの楕円形の月の石を様々な角度から虫眼鏡で舐め回す様にジックリと見る。
やがて、フーッと息をつくとタンゲンとリックマンの顔を交互に見ながら言った。
店主
参ったな・・今まで見た事も無ければ、聞いた事もねえ・・ただ、貴重な物だとしか解らん。
御法度だがあえて聞かせて貰えねえか?この石の出所を
タンゲン
信じて貰えるかは解りませんが「月の石」です。
店主
・・月ってあの夜空の?・・いや、バカな、でも、それなら・・なるほどな。
入手ルートは聞かねえが、納得出来た。
「月の石」だけでも1千万円だ!売ってくれるかい?
リックマン(久米)
やはり、おじさんは価値の判る方ですね。
お父さん。
タンゲン
うん、実は大物が有って、店の裏で見て貰いたい物が有るんだが良いかい?
店主
お、おう!是非、見せて頂こうじゃない。
〔おいおい、まだ隠し球が有るのかよ〕
大八車の上の山からシートを取り去る。
店主は奥歯をガタガタ言わせ、足は武者震いで震え、目は大きく見開かれていた。
店主
とんでもねえモンスターだ!こんなダイヤの塊が・・
こんな大物を取り扱かわせてくれるのかい?
一世一代の大商い、いや、世界に類を見ねえ大商いだ!!
・・だたこれ程の物になると即金でって訳にはいかねえし、時間も掛かるな。
オークションでの販売手数料として30%がウチの取り分でどうだい?
タンゲン
お願いします。
幾らの値が付きますかね?
店主
天文学的数字としか言えねえな、予想出来んよ。
タンゲン(先生)さんよ、あんたら気付いてねえみたいだが、これはピンクダイヤと言ってダイヤの中でもかなり稀少な石だぜ?
色も良いし、この大きさで形も良い、いったい幾らの値が着くんだろな・・ぶるっちまうぜ!
大八車ごと預からせてもらうよ、良いかい?
そう言うと預かり証を書くとタンゲンに渡しつつ、若い衆を十人で運んで行く。
店主
済まねえ、他の物も見させてもらうよ、ピンクダイヤのカケラや小粒金、水晶、翡翠、鉄鉱石、銅鉱石に砂鉄に軽石や石材様の石に粘土と算盤を弾いて行く。
キッチリ計算して26,783,270円為りだ。
ピンクダイヤのカケラっつてもデカイからな、早く市場に出さねえと大物のせいで値崩れしかねん。
ドスッと大きい布袋がカウンターに置かれる。
店主
袋は次、持って来てくれよ。
これでウチは小銭だけになっちまうなw
おっと、連絡先を教えてくれ!
オークションは来週の土曜だ、売れたら使いを出す。
よしっ、早速ピンクダイヤの加工だ!
おーい、誰か!デザイナーさんと加工職人さんを呼んできてくれ!!
一気に鉄火場になったので住所の紙を渡すと店を後にした。
その後、本命の品種登録に役所に向かったが二千六百万円以上を持っていたタンゲンは非常にキョドってしまうが無事に登録完了となり、遅めの昼食を取りにいく。
タンゲン
ふー!大金持ってると中々落ち着かんよ。
折角、リッチになったから高い物でも行くか!?
リックマン(久米)
ですね、和食!どうですか?
お刺身に天婦羅、お寿司!
タンゲン
おお!良いね。
と言いつつ何時もの食堂でお刺身と天婦羅の稲荷寿しセットを食べつつ、タンゲンは昼からそれを肴に芋焼酎の熱燗をクイっとやるので有った。
全く、我が家はリーズナブルな、贅沢だなあと久々の和食に舌鼓を打つリックマンであった。
参照
農林水産省品種登録HP
http://www.hinshu2.maff.go.jp/info/ryoukin/ryoukin.html




