第五百二十話 仏門
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同級生
R3・9・25(土)1045
南極大陸 ヴォストーク国 町外れ
リックマン(久米)は父タンゲンとてくてくと徒歩で隣村に向かっていた。
川で助けた少女が村の子だったからである。
少女は妹型のアトミックなゴーレム、ウーランの引く大八車に乗っていた。
左足の小指と薬指を骨折していたのである。
あの急流にもまれてこの程度で済んだのは奇跡的である。
然程距離も無く怪我人を乗せゆっくりとした移動だったのでリックマン(久米)とタンゲンは歩きながら会話を楽しんでいた。
タンゲン
村が見えてきたぞ。
リックマン(久米)
ねえ何か面白いモノ、有るかな?
少女
知らない。
淡白な返事で有った。
同じ五歳児なのだが、中身が様々な生を経験したリックマン(久米)とごく普通の五歳児では話しにならない程、考え方や価値観が違った。
少女は直ぐに泣いて怒って、急にヘラヘラ笑う、まあこんなモノだろう。
そう思いつつリックマン(久米)は自分が如何に子供っぽく無く達観した子供何だろうと感じた。
村に着くと少女は村長さんの孫だと言う事が分かった。
村の中心にある村長宅は我が掘っ建て小屋の五十倍はある建物だった。
タンゲン
これは・・村長さんと言うより小領主って感じだな。
少女を家の前まで連れて行くとメイドや執事が出迎えてくれた。
リックマン(久米)
お父さん、普通の村長さんってメイドや執事さんっているもん何ですか?
タンゲン
いや、普通は居ないな。
粗相が無いようにしないとな。
執事に抱えられ家の中に少女は消えるとメイドさんに別室に案内される。
上質な「お紅茶」を出され、すすっていると村長がお礼にきた。
始めましてこの村の村長です。
この度は孫をお助けくださり有難うございます。
こちらはお気持ちだけですがお納めください。
パンパンの布袋を半ば無理やりタンゲンは渡される。
しばし、色々と話しをした。
孫の両親は既に他界しており、村長と夫人で育てているとの事だった。
村長
学者さんのお子さんだからか賢く見えますのう。
おう、そうじゃ!
リックマン君は同じ年、これを機に許嫁にでもどうじゃろうか?
タンゲン
え?5歳で許嫁と言うのは如何な物でしょうか・・き、貴族でもないですし
村長
おっ、先ずは本人に聞かねば!
どうかな?リックマン君!
リックマン(久米)
〔じじい、何、面倒な事言ってんだよ、どう断ろうか・・〕
・・有難いお話しでは有るのですが、既に自分は仏門の身ゆえ、身も心も御仏に使える身なれば・・
村長
何と!その年で仏門に!
父上殿、随分と思い切った事を
タンゲン
え?ああ、その、えっと
息子がどうしてもと言いまして・・
村長
なるほど、五歳にしてその落ち着き、有る意味、既に悟りの境地に・・
間違いなく将来はリックマン上人と呼ばれるでしょう。
何か一言、頂けますかな?
リックマン(久米)
常に聖なる黒と共に歩んでください。
今、有る事に感謝を
村長
!・・今、有る事に感謝を
うーむ、深いですな。
いやはや五歳児とは思えぬ・・いや、これは失礼を
有難いお言葉です。
リックマン(久米)
〔まあ、伊達に猫神様やって無いからね、ったく、本来なら既に街へ行く準備をしてる頃なのに〕
父上、そろそろ戻りませんと・・修行の時間が
タンゲン
え?あー、うん、そうだね。
そろそろ私達はこれで
二人は一旦家に戻ると、キリがいいので出荷用の野菜と宝石類を荷台に乗せて、街へと向かった。
タンゲン
リックマン、驚いたよ。
いきなり、仏門とか言い出すからw
リックマン(久米)
流石に許嫁とか言われたので、すいません。
それに街で苺のショートケーキを食べる事ばかり考えていたのでw
タンゲン
ふふ、子供っぽい所が有って安心したよ。
まあ、お父さんも楽しみだけどね。
その夜、二人は食後のデザートに苺のショートケーキとタンゲンは水出しのアイスアメリカンコーヒー、リックマンはキリマンジャロのホットコーヒーのブラックを美味しく頂くのであった。




