第四十九話 姫武将
お館様
本陣に着くと連合側の特使と思われる者と捕虜三人とすれ違う。
林田 蒼楽
メッチャ睨んでるし!手加減したのに。
スギココロン
あまり、気になされないでください。
睨むのは最後の意地みたいなモノです。
捕虜の引渡しは終わったようですので、謁見に参りましょう!
御免!スギココロンです、客人をお連れ致しました。
おぉ!待っておったぞ!林田 蒼楽殿、此度の尽力、礼を申す!
わらわがキリリンシマ国主のトミーマーリン姫じゃ
ささっ、こちらへ、近こう!と、陣卓子に誘われる。
トミーマーリン姫
甲冑姿ですまぬが戦場じゃ、許せ。
して、どこまで話しを聞いておる?
こちらの通りです。と、林田 蒼楽は動画を見せる。
トミーマーリン姫
ほほう、凄いのう、一言一句、正確にわかるのう
スギココロンは表情かたいのう、言葉も詰まり気味じゃのう
なるほど、まずは、こちら側から話すのが筋と言うものじゃの
先ずはスギココロンと貴公にはコレをと30枚の金の大判を袋に入れて渡される。
気持ちじゃが受け取ってたもれ、捕虜賠償の1/20じゃ、本来なら捕虜にした者に1/10を渡すのじゃが、スギココロンも家臣のいる身、故に許されよ。
林田 蒼楽
えっ?逆に良いんですか貰っちゃって!
ん、この金の大判が一万円?
トミーマーリン姫
ん、伝説者で有ったの、金の大判が一万円、銀の大判が五千円、金の小判が二千円、銀の小判が千円じゃ、あとは五百円、百円、五十円、十円、五円、一円と硬貨がある。
額面は全て付いておるから後で確認してたも
スギココロンよ、後で色々と教えてさしあげよ。
まずは、姫のわらわが何故国主かと言えば、コクブンブン国王だった父上は4年前に亡くなっての、それに伴い、政治動乱や内戦の危機感を持った周辺都市や街とコクブンブン国が合併して出来たのがキリリンシマ国じゃ、カーゴシーマンの地では2番目に大きな国となってな、今度はそれに危機感を持った周辺国が軍事同盟を持ち掛けてきたのじゃが、重臣達や見識者や親族で会議を行った結果、軍事同盟は新たな敵を作りかねんとなってな、通商や外交、文化交流を含めた連邦制にしたのじゃが・・加盟のし易いさが逆にアダになり一気に大きくなり過ぎた。
黒色教原理主義者の不安を煽ってしまったようじゃ
林田 蒼楽
話しを聞く限り、上手く行き過ぎたって事?
トミーマーリン姫
正にその通りじゃ、「過ぎたるは、なお、及ばざるが如し」じゃ、敵を作らぬ様にしたら、更に大きな敵を呼び込んでしまったのう。
和平交渉は突っぱねるし、話しにならんし、そもそも連合は誰がトップなのかも分からんのじゃ。
連合が連邦制に賛同してくれれば良いものを、いや、逆に連邦が連合に入っても良いのじゃが、下手に力を付けてしまい敵対視されてしもうた。
と、言う訳じゃ、仲間は一人でも欲しいのが現状じゃ、スギココロンを通してで良いのじゃ、助けてたもれ
林田 蒼楽
平和を目指した結果が戦争かぁ、わかりました、スギココロンちゃん経由ですが、出来る事をします。
トミーマーリン姫
おぉ!有難い、客人として歓迎致すぞ、撤収後に歓迎の宴を致す、スギココロンと共に来られよ。
話しが長うなったのう、ささっ、お茶を飲まれよ。
三人は戦の後と言う事も有り、ほっとしつつ緑茶飲む
戦後処理、次の戦、周辺国との外交と問題は山積みだが、トミーマーリン姫とスギココロンは林田 蒼楽の力添えの確約に更にホッとする。
トミーマーリン姫はシャム猫獣人です。




