第四百八十三話 悲しい海の色
新章に入ります。
用語説明
探共
探究者共済組合の略称
様々なギルドと役所と金融機関、農協、漁協、組合を併せた様な国際機関組織
各国に支部があり街には出張所がある。
自警隊
厄災規模のモンスターの襲撃や大規模災害等に備える国際機関組織、民間では難しい大型モンスターを使役しており陸海空と別れて世界中に存在する。
国家間の紛争や戦争には介入しない。
慢性的な人手不足で催物等で官民一帯を目指す。
探究者
探共の登録者
探険者以外にも様々な学者、研究者、芸術家、執筆家、芸人、職人、商人、食通、漁師に猟師、旅人、武格者等、様々な専門家がその筋を究めんとしている為、探究者と呼ばれています。
様々な探究者が所属しており、様々な依頼がある。
探検や討伐に限らず運輸、研究、インストラクター、作詞、見聞録、陶芸、絵画、家庭教師に運転代行、送迎、ボディーガードに探偵に子守りと様々な業務が常に舞い込む。
Tan Point Card「探ポイントカード」
通称 Tカード 探共登録時に発行される会員証
定期預金 普通貯金 買い物時にポイント付与 依頼達成時にもポイントが付与 買い物時にポイント払いも可能
一枚で会員証、銀行系デビットカード、ポイントカード、ペイ系カード、身分証明にもなる便利な一枚
成人「15歳」を迎えると加入でき、殆どの者が加入する。
獲得ポイントによってグレードがG0からG1といった形で付いていく。
正式名称は探究者共済組合会員登録証
武格者
タイトルにもなっている言葉で武道・武芸・武術・格闘技・護身術等を行っている者
伝説者
日本からの転移者 重力等が10分の1の為、超人の様な存在 パワー、スピード、耐久力等は10倍
普通の人々の行動が遅く感じる。
思い出の港
R3・8・15(日)1145
エリア キューシンズ フクオカーンの地 キタンキュウシン国
前日の夜に高速魔法船で入港していた水崎一行(マサオーナ、バッシーリッカ、アズサマ、ナギサマ)はそのまま船内で夜を過ごした。
朝御飯が終わると、何が何でもドワーフの二大都市国家の一つのキタンキュウシン国を見たいと言っていた魔人の姫 マサオーナと魔人バッシーリッカは女性イスラム教徒が使用するヒジャブーで偽装させ、狸獣人のナギサマ、東洋系のアズサマが監視役として散策に出る。
船員達も街を見たい者は男だがヒジャブーを被り、マサオーナのお供として随伴した。
結果として、殆どの船員達が下船し、留守番は三名だけとなった。
水崎も7時には船を降りてキタンキュウシン探共を目指した。
前回は転がる様に逃げ出した港街は「参照第213話」建物や店が変わっていた。
水崎は呟く、あれから半年以上か・・8ヶ月も経てば街並みも変わる物だな。
知った道を歩くとトヨアッキンとヨッスィーンが住んでいた倉庫を通る。
チーギューンに操られたとは言え、自らが恋人の身重のカッスンガーを手に掛けた場所である。
「叡、大好きだよ」
彼女の最後の言葉がフラッシュバックする。
辛く、苦しく、悲しさと怒りが込み上がってくる。
大粒の涙が流れ出す。
もっと俺が強ければ・・何百回、何千回もリピートした言葉が出る。
俺さえ強ければカッスンガーもヨッスィーンもトヨアッキンも・・オケール(久米)さんを手にかける事も無かったのに・・いや、よそう。
だが、チーギューン!!奴だけは・・
アキーエ神の魔法付与の時、水崎は時を戻す魔法を願った。
だが、アキーエ神は「それはダメ」と首を振った。
たらればを考えてしまう、さらにはifストーリーの世界を空想する。
考え事をしながら歩くとカッスンガーと共に暮らしたアパート前に来ていた。
無意識の遠回りに泣きながら笑った。
近くの公園前も通る。
自然と腰に差したアキバの木の棒をぐっと握る。
カッスンガーにタイ捨流の剣術を何度も教わった場所だった。
そして、通い慣れた探共に着き、受付して待つ。
やはり知った顔が多く、水崎を見て驚く。
アレって確か、前の探共長を・・・嫌でも聞こえてくる。
職員に連れられて探共長室に案内される。
メグミンルン
水崎さん、お久しぶりですね。
大まかな事情は聞いています。
ただ、貴方から直接聞きたかったんです。
見慣れた探共長室に居ない彼女を目で追う・・
水崎は声を絞り出すように喋った。
黒色教連合の戦争を端に旧ドワーフ連合国に攻め入らんとしスパイのチーギューンが送り込まれていた。
ヤツは小遣い稼ぎに探究者達を偽の依頼で誘い出しては快楽的に男女関係無く犯し、殺し、武具や金銭や衣服を奪っていた。
虚偽の実力を申告し、グレードをG2偽っていたが電撃魔法一発でG6カッスンガーを気絶させ、伝説者であっても暫くは痺れて動けない威力を持っている。
狡猾さと強さを併せ持ったサイコな男であった。
そして最初は退け逮捕出来たが、収監後、エルフ連合軍との戦争で刑務所が破壊され、脱走後は更に強くなり、それ以上に狡猾さに磨きが掛かった。
どうやって手にしたかは分からないが自分よりレベルの低い者を操る術を手に入れていた。
逆恨みしたチーギューンによりトヨアッキンとヨッスィーンを惨殺され、カッスンガーは捕らえられ、チーギューンよりレベルの低かった俺は・・
水崎は言葉に詰まる。
メグミンルン
少し、お茶で喉を潤してください。
その後はどうされていたのですか?
水崎は喉を潤し、気を取り直すと事件後、クノールン紹介の船でシモンノセッキー国に渡り、そこで服を変え、その後、ヒラヒラカタ国で小間使いをしていた。
そして、もう一人の高レベル伝説者と戦い、殺し、レベルを大幅に上げた事を伝える。
その後、放浪先で南極大陸へ行く仕事を見つけ、現在は南極大陸に居を構えている事を伝えた。
メグミンルン
歌姫オケールさんの事ですね?
そのレベル上げと言うのは?
水崎
決まっているだろう!!
ヤツにやられない為、いや!ヤツを殺す為だよ!!
メグミンルンは水崎の目を見て仇討なんてと言おうとしたのを飲み込む。
恐ろしいまでの覚悟の決まっている目であった。
分かりましたと、預かっていた水崎の私物の鞄を渡す。
南極はどうですか?と聞くと意外に良いところだと返事が帰ってきた。
水崎
明日の朝、出航し、カーゴシーマンの地やオーキナーゼンの地を経由して戻ります。
メグミンルン
水崎さん、貴方さえ良ければ、またキタンキュウシン国に
水崎は首を振りながら「この国は思い出が多過ぎる」と言うと部屋を出て行くのであった。
不定期UPになりました、出来る時は0時UPを心掛けます。
ご迷惑をお掛け致します。
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