第四百十一話 二文字抜け
挑む者達
エリア カンサイン キョーノミヤーコの地 キョーノミヤーコ国
民家の壁にチラシが貼られていた。
「第一回 チュアム杯争奪 三味線大会」
「礼和三年度 林檎の品評会 マサンヒトン賞」
「2021年 林檎料理トーナメント トヨコーン旗争奪戦」
R3・7・18(日)10:00開催
場所 アオーン・モーリンの地 ムッツン国 チュアム教団
優勝賞金1000万円
準優勝 50万円
3位 5万円
敬虔な黒色教徒なのだろう。
綺麗に一番見やすい所に貼られていた。
一人の男がジッとチラシを見ていた。
キノウッチャーと言う青年の月の輪熊獣人であった。
キノウッチャー
東の黒の女王 サワット チュアム様は、おもろいなあ。
アオーン・モーリンの地でやりはるのに、津軽三味線やのうて三味線やったら何でも参加させはるとはな・・
おもろいやないか、「柳川流」が第一回の優勝でもええんやね?
三味線は柳川流から始まったんや、津軽三味線?
どんだけのモンか見せてもらおうか。
そして、全く別の場所でもチラシを凝視する者がいた。
ナゴナ国の探共前でアラブ系の若い女性が呟く
津軽三味線の本拠地、アオーン・モーリンの地で三線の音を響かせたら・・コレは楽しそう!
元々原型の三味線はオーキナーゼンから琵琶法師経由で柳川検校公が現在のスタイルを築いたんだしね。
第一回の大会、頂いちゃおうかな。
サワット チュアムはチラシに津軽と入れ忘れていた。
それは全世界の腕に覚えのある三味線の奏者に刺さった。
津軽三味線からの挑戦状として!
流派を背負う者、腕に覚えの有る者、様々な者が打倒津軽三味線の名の下にムッツン国を目指すのであった。
一方、アオーン・モーリンの地では津軽三味線の大会だと認識されていた。
津軽三味線の各演者も少しづつエントリーが教団事務局に届きだした頃であった。
一人の職員が事務長に質問をした。
「山田流」って津軽三味線の流派なんですか?
事務長
え?山田流・・
慌ててチラシを見直す。
津軽三味線じゃない!三味線の大会になってる。
しかも山田流って琴では?
慌てて教団幹部のトヨコーンとマサンヒトンに報告する。
マサンヒトン
琴の山田流はお断りするとして、ここまで告知していては、今更、津軽三味線だけとは言えない。
トヨコーン
流石に三味線以外の参加を認めると収拾がつかなくなる。
三味線の大会として、このまま行くしかないでしょう。
チュアム様が留守の時に限って・・
事務長
わかりました。
このままエントリーの受付を進めます。
さてさて、どうなる事やらで有る。
五分遅れの投稿になりました、すいません。
参照
柳川検校
https://kotobank.jp/word/柳川検校-157308




