第四百十話 工芸品の匠
会食
エリア カントゥーン テイトンの地 チヨダーン国 ソトカンダーラ市
水崎達は、とある牛カツの店で会食中であった。
小さな鉄板の付いた小型コンロ、中には固形燃料のような物が燃えていた。
レアの牛カツを好きに焼いて行くスタイルだ。
セットの赤味噌汁が胃に染みる。
水崎
食べながらで良いのでフランクに自己紹介を願います。
先ずは自分から!水崎 叡と申します。
見ての通り伝説者
で、彼女は現地代表のバッシーリッカですが、ご存知の通りヒジャブーを取れません。
バッシーリッカは牛カツを焼いて食べる。
ただ只管にその事に集中していた。
無言で焼いては口に運び、ご飯やキャベツの千切りを黙々と食べる。
水崎
えーっと・・と言う事で
順番に自己紹介をお願い致します。
初老のレッドキャップの男
ああ、俺からか。
知った顔をいるようだが・・
俺は「清水焼きのマイデンロウ」だ。
以上
初老のドワーフの男
一緒になるとはな・・
俺は「九谷焼きのヤマアキラン」だ、よろしく頼む
初老のリザードマン
ふー、コレも縁かの
「備前焼のフジハケシ」だ。
水崎
三人共顔見知りなんですか?
三人の初老の男達は無言で食べながら頷く
皿や茶碗、湯呑みを見る目が厳しい。
店員達にまで緊張が走る。
水崎
「職人気質というか・・頑固そうだな、寡黙だし。」
出発の日取りなんですが、ご希望の日とか有りますか?
三者三様に直ぐに行けると言う。
では、食後に長い航海になりますので足りない必需品の買い出しを行なったら港に向かいましょう。
そこでバッシーリッカが口を拭きながら大きく手を挙げる。
全員で「何だ?」と注目していると口を開いた。
バッシーリッカ
牛タンカツ、一枚追加で!
ワッハッハ!ワシ等以上にマイペースじゃの
頑固な職人達はここで初めて笑い会うのであった。
この三人の職人達が人間文化財や人間国宝クラスと知るのは南極に着いてからだった。
参照
清水焼
https://www.kiyomizuyaki.or.jp
九谷焼
https://www.shinkutani.jp
備前焼
https://touyuukai.jp/history.html




