第三百八十四話 寿司に鮨にSUSHI
二つ名
R3・4・30(金)14:17
エリア カンサイン ワカンヤンマーの地 東部海岸線の沖
パージメンはクノールン商会保有の新型の大型魔法輸送船に揺られていた。
ワカンヤンマーの地では蜜柑や梅に梅干しにウツボの干物、黒い飴に生魚、材木等々、様々な品を買い付けた。
大枚叩いて雇った冷却系の魔法使いの二人が交代で保冷庫を適時に冷やしている。
これで生物も保存が効く。
順調な航海は1時間弱でミエミエ国沖に出るだろう。
次はブランド牛肉や伊勢海老、サザエやハマグリの貝類や赤い福餅に組紐、焼き物に真珠をメインに買い付ける予定であった。
船上でパージメンは考えていた。
商いの事では無く、阪本大権現様の事である。
今にして思えば発想やド肝も抜く商いの手法が似過ぎているのである。
ここに来て「読みのパージメン」の二つ名が発揮される。
パージメン
幾ら何でも非科学的や・・そやけどウチの読みが同じやないかと言うとる。
水崎はんとの絡みから見て、オケール師匠も伝説者に何らかの形で関わっとるんや無いか?
うーん、でもなあ、オケール師匠と阪本様が同じは無理があるなあ・・
そうこうしていると次の寄港地が近付いてくる。
パージメン
アカン、今は商いの途中や!
先ずは在庫の品がここの相場でなんぼか調べんとな。
疑問はヤヤイヅ国で阪本様に会うたら分かるやろ。
シマシマ国に着くと相場を調べる。
米と材木の値が張ね上がっていた。
大きな火災があったそうで木材系統の需要が高まっている様だった。
それに伴い多くの大工が集まり、外食産業や旅館で米を中心に食品の需要も増えた。
買い付けを済ますと探共に顔を出すと高値の木材を買えるだけと言う依頼を受け全て材木を売り払った。
序でに東回りに一周出来る量の米や食料もに積んでいたので七割ほどを売り払った。
パージメン
これだけでも大黒字や、カードにポイントも溜まってええなぁ
ま、収益は商会の物やけどな。
この感じで海岸線の主要国を巡りながら北上してナゴヤン国が一区切りやな。
今回、資金は潤沢に預かっとるし、ヒラヒラカタ国に戻る頃には満載して帰らんとな、交易航海は楽しいなあ、観光は肌に合わへん。
やっぱ、商いがおもろいわ。
収益分以上の金額で真珠の加工品を山ほど買い付ける。
パージメン
相場では買いやったけど、貴金属や宝石は高いなあ
まあ、その分高値で売れんねんやけどなw
黒にライトブルーに純白・・真珠にも色々あるなあ。
ネックレスに指輪にピアスにイヤリングにリストバンドにタイピンに簪・・時間が合ったら真珠だけを買うて職人雇って加工までやってみんのもオモロそうやな。
オリジナルブランドかあ、儲かるで、コレ
っと、時間が無い、次の国に移動せな。
船はシマシマ国を後に北上しだす。
次の国で食糧、安かったら買うとこか。
次はトバン国やな、時間的に夜に着くな、泊まりはトバン国やな。
トバン言うたら「てこね寿司」やな。
ご褒美、ご褒美w
パージメンは乗組員に聞こえる様に言う
しっかり働いた者は、今晩の食事は名物の「てこね寿司」やで!
みんな気張りや!
と、言いつつ全員分のてこね寿司を買うつもりであった。
何故なら、手を抜いてる者など居ないからである。最早、クノールン商会は名実共に大手のエリート商社になりつつあるのであった。




