第三百六十四話 知的好奇心
未知の世界
南極大陸 到達限界極国 王宮内
前回からの続き
衛兵達に旅の話しを聞かせていた。
バッシーリッカ、ナギサマ、アズサマと話し終えると、迎えの者が来る。
衛兵γ
うーん、盛り上がって来た所だが残念!
致し方無い。
迎えの者に連れられて中庭の庭園に誘われる。
そこには日溜まりのアラビアンな場所に洋風のテーブルと椅子が並び、和風の日差し避けの赤い和傘が立っていた。
10代前半の少女と50代男性、衛兵が4人と給仕とメイドが一人づつ待っていた。
迎えの者
アーチャー様、お連れ致しました。
50代の男性がご苦労、下がって良い。と声をかける。
アーチャー
いきなりの呼びつけに良くぞ応じてくれた。
我が名は南極大陸の統一王 アーチャーだ。
今回は非公式故、フランクな形を取らせてもらった。
まずは遠路遥々、よう御座った。
一行の代表は年の功でバンドーンが務める。
バンドーン
お招きに与り恐悦至極に御座います。
アーチャー
うむ、楽にしてくれ。
マサオーナ、挨拶を
10代前半の少女
マサオーナ姫で有る、良きに計らえ
バンドーン
はっ、御意に
水崎は一人だけ姫と言われる人物に面識があり、思い出していた。
〔シャム猫獣人の姫とは全く違うタイプだな。ツンツンだなw〕
アーチャー
本日来てもらったのは茶会に招き、遠方の地の話しや体験談、南極で感じた事を聞きたいと思ってな。
茶は何が良いか?
抹茶、緑茶、ほうじ茶、玄米茶、番茶、黒豆茶、烏龍茶、普洱茶、チャイ、ティーに各種ハーブティー、ルイボス茶、珈琲、ココアと何でも有る、希望の物を選んでくれ。
水崎のアイコンタクトでバンドーンが、「緑茶を頂きます。」と言う。
アーチャー
ふむ、シンプル イズ ベストだな。
ここで水崎が土器をバンドーンに渡す。
バンドーン
王様、つまらない物では御座いますが、御茶請けをお持ち致しました。
控えていたメイドに渡す。
アーチャー
御茶請けとな、それは?
バンドーン
南極大陸、中央部の限界集落村の新たな特産品の糠のお漬物にございます。
マサオーナ
はあ?漬物?
アーチャー
コレっ、姫。
折角の進物では無いか、毛嫌いせずに受け取るのも一興であるぞ。
マサオーナ
・・はい、お父上
暫く、談笑をしているとメイドが大皿に盛り付けられた糠漬を持ってくる。
アーチャーは、では、頂こう!と茄子の漬物を口に運ぶ
ポリポリと食べるとお茶を飲む。
アーチャー
ふむ、成る程のう。
マサオーナ、他の者達も食べてみよ。
マサオーナは胡瓜の糠漬を口に入れ、咀嚼の後、茶を啜る。
マサオーナ
・・まあまあね、褒めて遣わすわ。
給仕や衛兵達もでは失礼してと食べる。
アーチャーはニヤニヤとしつつ話す。
ふっふっふ、どうである?茶が欲しくなるであろう!
給仕
仰る通りで御座います。
コレは中々の逸品かと。
ここでバンドーンが限界集落村のアンテナショップの件や村興しの話しをする。
アーチャー
ふむ、ヤポーネから来て直ぐにこの大陸の為に尽力するとは殊勝である。
王令の下、限界集落村の復興に臨時予算を付けよう。
本来であれば、我が気付かねばならぬ事を・・感謝する。
ここぞとばかり、焼き物の工房や職人の公募やドライフルーツを始めとした物も進物とし、説明を始める。
アーチャー
やはり、伝説者やヤポーネの者達からの新たな視点での様々なアイデアが素晴らしい。
あっと、言うまに夕方だな。
暫し、王宮に留まり様々な話しを聞かせてもらえぬか?
旅の話しを我も姫も楽しみにしておった故、晩餐時に聞かせてもらえぬか?
バンドーン
はっ、御意に
こうして、水崎一行は王宮に転がり込んだのであった。




