第三百六十二話 アンテナショップ
来ないから行く
R4・4・8(木)15:00
南極大陸 到達困難極国
水崎一行は限界集落村から運びこんだ糠物と土器のセットをバザールで売る。
中々の好評だ。
買った帰りに好きな野菜を買って漬けてみるといった客が殆どであった。
水崎
うーん・・・
バッシーリッカ
ん、どうしたの?難しい顔をして
ナギサマ
良く売れてるし、問題はないんじゃ?
山葡萄のソフトレーズン、梨スライスのドライフルーツも売れてるよ?
アズサマ
沢庵も売れてるやんか、唸るような事あるんか?
バンドーンがおらんから?
昼からバンドーンは用事があると行って別行動をとっていた。
水崎
いや、バンドーンの事では無いんだ、勿論売行きの事でも無いんだ。
じゃー、何?
3人が一斉に言う
水崎
安定した供給が出来るのならアンテナショップをこの国にって考えてたんた。
バッシーリッカ
限界集落村のアンテナショップ?
ナギサマ
村の宣伝を兼ねて、特産品販売もする。
それ良いかも!
アズサマ
そやけど、資金は?
村の収益はまだそこまでは貯まって無いんちゃう?
足りん分はウチらで身銭切んの?
水崎
そこを考えていたんだよ。
何か良い案が浮ばないかとね。
みんな、良い案無い?
バッシーリッカ
いきなり言われてもねえ
政府に支援してもらうとか?
ナギサマ
えっ、コネが有るとか?
バッシーリッカ
いやー、ないんだなあ、これが。
アズサマ
ま、あったらあったでオモロイんやけどな。
都合良くは行かんへんか・・
そうでも無いかも知れんぞ?
バンドーンが帰って来て開口一番に言う。
ナギサマ
えっと、どう言う事ですか?
と言うか、何処から聞いていたんです?
バンドーン
アンテナショップの件辺りから聞いてたよ。
実は王宮に呼ばれて行ってたんだが、南極大陸の統一王、魔王様が我々に興味を示していて、一度、話しを聞きたいとの事だ。
アズサマ
ええ!?私達に?
バンドーン
うーん、我々と言うよりはヤポーネから来た者に話しを聞きたいんじゃないかな?
水崎
統一王・・魔王様がお呼びか
バンドーン
南極大陸の為になる事を理解してもらえば、政府に支援要請出来るんじゃないかな?
まあ、当然、王様に直接ではないがな。
どうする?水崎君。
水崎
どの道、断れないだろ?
お呼びが掛かってるんだ、みんなで行こうじゃないか。
で、いつ来いと?
バンドーン
明日の15時だそうだ。
アズサマ
明日?えらい急やんか。
ナギサマ
偉い人ってこう言うものなんだよ、多分
バッシーリッカ
私も行っていいのかな?
バンドーン
当然だよ、一行をお呼びなのだから。
気付けば、夕暮れ間近になりバザールの出店者達は店仕舞いを始めていた。
バッシーリッカ
今日は終わりだね。
私達も店仕舞いしましょう。
水崎一行は公園の仮設テントに戻るのだった。




