第三十四話 とっとこ?
走るよ!
半日、歩くと北部ルートの近くにピップンと言う都市があり、道が二手に分かれる。
藤井 智美とキシモーンが都市経由で確認をし、後ほど合流する。
ミヤショーと丸山 岬丸は、そのままの道を進んだ。
コレがターニングポイントになるとは四人共思わなかった。
ミヤショー
都市周辺に何もなければいいのですが・・
丸山 岬丸
何か気になる事があるんのか?
ミヤショー
いえ、折角の戦力を分散させたのが何と無く気になっただけで他意はないです。
そして、小一時間歩くと道の合流地点に近付く、すると男が走って来る。
緑の人!助けてください!ウチの畑にモンスターが!
二人はその男と共に合流地点を少し超えた所の畑へ向かった!
畑が見えてくると2m位のモンスターが引きちぎった緑色の頭をバリバリと食べていた、赤い液体をたらしながら!
ミヤショー
気を付けてください、初めてみる新種です。
丸山 岬丸
ん、よくみるんじゃ、アレを!
アレは頭ではなく薄い色の西瓜じゃ、それにそのモンスターを知っておるぞ!
畑で西瓜をかじる2m級のモンスター、それは大きなハムスターだった!
モンスターに近づくと「喝」を入れる!
丸山 岬丸
コラっ、勝手に畑を荒らしおって、やめんか!
モンスター
ヘケっ?何ですか食事中に失礼な方でしゅね。
丸山 岬丸
あの男が作ったモノを勝手に食べるなと言うておる!
モンスター
えっ、自生してるんじゃ無いんですか?うーん、それは悪い事をしちゃた、御免なさいでしゅ
二人は被害者男性を見る
被害者男性
えっ、自分っすか?いや、弁償して頂けたらいいのですが・・お金、持ってるのかな?
モンスター
へけっ、お金は無いけど、大好きなヒマワリのタネならいっぱい持ってるでしゅよ!
被害者男性
えー、ヒマワリの種?うーん、とりあえず、それで良いです。
ミヤショー
えっ、それでいいんですか?
被害者男性
お金持ってないし、しょうがないから・・
花でも咲かせてみます。
そう言うと大きなため息をついた。
丸山 岬丸
うん、ひまわり畑!良いのう。
観光資源になるやも知れんな!
そう言えば自己紹介がまだじゃったな?
自己紹介を各自がしていく、モンスターは名前は無く、被害者男性はカミヤンリョと言う名前だった。
カミヤンリョ
あの、丸山 岬丸さんが先程言ってた観光資源とはどう言う意味ですか?
丸山 岬丸
んーと、ミヤショー殿、神社や寺ってあるのかのう?
ミヤショー
はい、ありますよ?
丸山 岬丸
〔寺社、仏閣が有るなら説明が早いの〕
んー、あれじゃ、寺とか神社は大木や水蓮とか桜や紅葉とか苔何とかを手入れして庭園とか環境を整備する事によって人を集めておるじゃろ?
カミヤンリョ
はい、たしかに、それが何か?
丸山 岬丸
〔ありゃ、通じなんだな!〕
人を集めて、拝観料だったりお賽銭、おみくじや御守りとかのお金でやりくりするんじゃが、ソレをヒントにして、ひまわりをいっぱい咲かせて土産物屋から初めてみるっちゅうのはどうじゃ?
カミヤンリョ
あっ、それいいですね。
でも、農業の片手間に出来ますかね?自信が無いです。
丸山 岬丸
ありゃ、モデルになるモノがないのか?ラベンダー畑とかバラ園とか
フラワーパーク等はカミヤンリョとミヤショー、モンスターまでも知らないと言う、どうやら、桜や躑躅等の花見はあるものの、道中、歩きながらするものらしい。
丸山 岬丸
よし、考えうる限りを伝える。
まず、ヒマワリで迷路を作るんじゃ!植え方や栽培はカミヤンリョの方が詳しいじゃろ、次は土産物屋じゃな、最初はスイカなどの農産物から販売じゃな、ヒマワリの種が収穫出来たら、次年の種を多目に置いておき、規模を少しづつ増やして行くんじゃ。
余った種から食用やヒマワリ油を作り、名物にしていく。
一人ではキツいからのモンスターと共に初めればいいのー
モンスター
何を手伝うんでしゅか?
丸山 岬丸
マスコット兼警備員じゃな。
モンスター
わかったでしゅ、カミヤンリョさんを手伝うでしゅ
カミヤンリョ
素晴らしい、眼から鱗です!
あの、ほ、他は!何か他にはないですか?
丸山 岬丸
うーん、そうじゃな、お茶やジュースから始め、食べ物の提供も視野に入れるんじゃ。
他には色々と植えたり、栽培したりして種類を増やすのも良いかもの?
初春は椿、春はレンゲじゃ、ゲンゲとも言うの、梅雨時は紫陽花、初夏はラベンダー、秋は紅葉とか良いんじゃないかの?
椿は椿油や化粧品や椿蜂蜜、レンゲは休耕地の回復、れんげ蜂蜜じゃの、ひまわりも蜂蜜がいける、ラベンダーは蜂蜜以外に香料やハーブが期待出来るんじゃないかの?
ソレとコレが肝になるんじゃが、トイレと荷車を停めれるスペースを必ず作るんじゃ、土産物屋と言うより休憩所にするんじゃ、道の駅やサービスエリア、ドライブインと言った感じかの?
ソレにトイレは肥料確保が狙えるしのう、必ず店の風下に作るんじゃぞ
こんなもんかの。
カミヤンリョ
コレは正に天啓!丸山さん、有難う御座います。
栽培や酪農しか出来ないと思っていたのですが、これなら商いにも観光にも繋がります。
なんと言っても夢があります。
早速、種を植える形を考えていかないと!
その時だった誰かに呼ばれた。
キシモーンと藤井 智美だった。
キシモーン
何をやってるんですか?いつまで待っても来ないから探しに来ましたよ。
ミヤショー
ん、悪い〔一時間以上も畑にいたのか?〕
キシモーン
ひょっとして、その生き物ってモンスターですか?
ミヤショー
そうだ、既に一件落着したが・・あっ、もしや他にもいるのか?
モンスター
自分以外には見た事がないでしゅ。
ミヤショー
では、ルート封鎖を解いてもらわないと、キシモーン、夜になる前にアサヒンカワへ戻り報告をしよう。
モンスター
ルート封鎖ってひょっとして僕の所為でしゅか?
ミヤショー
まぁ、そうなんだか、気にするな。
アサヒンカワ探共へ報告してルート封鎖は終わりだ。
モンスター
でもなんだか悪い気がするでしゅ、アサヒンカワまで乗せて行くんで二人共、乗ってくださいでしゅ
藤井 智美
あっ、いいですね。
報告も実際にモンスターさんを見てもらえば早いし、良案ですね。
そして、ミヤショー、キシモーンを乗せるとロケットスタートで一気に見えなくなった。
藤井 智美
はやー!ちょっとだけ乗ってみたいかもw
あっ、丸山さん、シーベッツン探共に向かっていいですか?
ルート解除の連絡と泡盛の納品をするので、その足でナヨローンズへ向かいます。
その間に止まっていた流通も復活すると思いますし、一応、シーベッツンまでのルートの安全確認を兼ねてと言う事で付いてきてくださいね。
丸山 岬丸
もちろん、お供いたしますぞ!
道中、色々とこちらの世界の事も教えてくだされ
藤井 智美
はい、勿論です。
私にも日本の事を教えてくださいね。
カミヤンリョに別れを告げ、シーベッツンへ向かう二人だった。
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