第三百三十話 ビーフジャーキー
実食
R3・3・7(日)16:00
南極大陸 南極点国 とある公園内のテント前
まだか、まだかと言う表情で全員が待ち侘びていた。
手にはいつも使う木のコップに各々が買った酒類が注がれていた。
小さい薪に火をくべて、カリカリのビーフジャーキー(カリー風味)を炙っていた。
皆がGOサインを待っていた。
バンドーン
水崎君、もう良いだろ?
水崎
一口食べたら感想をお願いします。
では、実食開始します。
囓りつくと凶悪なジャーキーとカレーの香りが鼻腔を襲う。
アズサマ
うまっ、めっちゃ美味いわコレ、従来のジャーキー+カレー風味は正解やな!
片手に持った熱燗の芋焼酎入りのカップをグビっとやる。
クー、アカン、癖になるってホンマ!!
バンドーン
うん、いいよ!いいよコレ!作れるだけ作ろう。
パンを一囓りすると、コップの辛口の日本酒を飲む
うーん、辛口に合うなあ!
アズサマ
かった、ウマ、顎疲れる。
でも、やめれない。
いつもの固いパンが柔らかく感じる。
そして麦焼酎を飲むと、更に囓る
バッシーリッカ
はさみで焼いた部分を落として口に投げ込む。
ふー、味が濃い、意外にもカレー風味が聞いてるね。
赤ワインを飲むと更に感動する。
やっぱり、肉には赤ワインですね、乾物&酒屋もいいなあ!
水崎もガッと噛み付く
うん、乾燥具合、味、風味共にいいね。
コップのブランデーを味わいながら食べる。
久々のアルコールが体に染み込むようだった。
それとは別に、目の前で沸騰する小鍋にジャーキーと玉ねぎとねぎの細切れを落とし込む。
バッシーリッカ
ふーん、そんな料理方法があるんだ!
水崎
本来、乾物は出汁を取ったり、戻しながら料理に使うって聞いた事が有ってね、コレも実験だよ。
ただ、売るだけじゃダメってね、活用方法や使い方と言った情報もセットで売らないとね。
〔久米さんが言ってたんだけどね。〕
バッシーリッカ
ふーん、勉強になるなあ。
そして、出来たスープを飲む
出汁も出て、味も良い、仄かなカレー風味が良い。
水崎
固いパンが食べやすくなるな。
バンドーン
鷹の爪の輪切りとかも良いかもね。
おっと、辛口の日本酒の所為か口が辛口になってしまった様だね。
皆が口々に若布が、大根が、麩が、トマトがとアレもコレも入れてみたいと言っていた。
三時間くらい飲んで食べて喋る。
かなり酔いが回ってきたので寝ようとなり水崎は薪を消した。
荷物をテント内に投げ込むと見張りも付けずにテント内で眠りにつく酔っ払い達で有った。
空の日本酒の一升瓶を大事そうに抱えて寝るバンドーンを見て笑った水崎もいつの間にか記憶が飛んだ。Zzz・・・




