第三百十四話 加工
開き
R3・2・19(金)朝
南極大陸 南極半島
水崎案でパーマー国で40万円中20万円分の塩を買い込んだ、魚の購入時にこの辺りは鯖や鯵が有名らしいので1万円分をそれらと小型ナイフを購入した。
海岸線に移動すると、魚を開くエラの下から頭を落とし、腹を開きつつ内臓を洗いそのまま海水につける。
流れない様に石を積んで囲いを作る。
何処からか小魚が寄って来るが捕まるとそいつらも開きになって行く。
一時間程漬けこんだ魚を水揚げすると全員の背負子に吊るしていく。
アズサマとナギサマは嫌な顔をするがお構い無しに吊るす。
逆にバンドーンとバッシーリッカは面白そうにする。
さあ、準備は出来た、出発だ!あまり荷を揺らさないでくれよw
バンドーンの掛け声で出発した。
パーマー国を通過中、魔人以外は珍しく、視線を集めると魚をぶら下げてるのが目立つ
魔除けとかファッションなのか?と質問をされる。
移動しながら干した魚を作ってると答えると、ほう!と感心された。
後にこのスタイルは物流革命として南極大陸で大いに流行る。
飛行移動する魔人達は干し肉だったり、魚や貝の干物であったり、ポプリや収穫後の茶葉を乾かしながら、更に強者は海苔の佃煮を乾燥海苔にしながら運ぶといった荒技まで・・加工移動と言われるのであった。
この話しはまた後ほど、詳しく
半島の南にあるロゼラ国と目指す、途中、村落に立ち寄りつつ、相場を調べるとまだまだ安いが内陸部に近付くとジワリジワリと塩の値が上がっていく。流通する魚も変わっている様だ。
話しに聞くとロゼラ国は若布、昆布、青海苔、石蓴等の海藻類が名産だとわかった。
ロゼラ国では海藻類の購入をメインにし、その先は半島の根元で一気に干物等を作って内陸部を目指す方向で話しあった。
本音で言えば熟成の魚や刺身を作りたいが水崎には知識不足であった。
途中、他愛の無い話しをしつつ旅は順調であった。
バッシーリッカ
ねえ、水崎さん、ちょっと聞いて良い?
伝説者なんでしょ?
そうだよ。
伝説者て、何処から来るの?
こことは違う世界って言えばわかるかな?
違う世界に行ったり来たり出来るの?
いや、それは出来ない。
ふーん、どうやって来たの?
アーベン神に送り込まれた。
何で?
何で?か・・それは俺の世界が終わるとか言い出して、仕方なくかな。
えっ、それってアーベン神の遊び心みたいな?
そう言われたら、そうだが・・
なんか、神様って勝手だね。
バンドーン
まあ、往々にして神とはみがってなのかも知れないな。
アズサマ
あんたも勝手に連れて来られて、好き放題にやらてるな。
ウチやったら腹わた煮えくりかえるな。
ナギサマ
水崎さん、神様が好き何ですか?
いや、んな事は無いが・・
バンドーン
〔このまま、目的地に着く頃にはこちら側の勢力下に入れてしまいたいモノだな。〕
水崎の回りはG185番 ナギサマ、G190番 アズサマ、G171番 バッシーリッカ、監視者 バンドーン 196108番と包囲網が構築されているのであった。




