第三百十二話 変身
帰って来たぞ
R3・2・17(水)2000(フタマルマルマル)
ドドサンコ大陸 ヒガシカワンの地 アサヒンカワ国 アサヒンカワ駐屯地
ドドサンコは全体的に吹雪だった。
散発的に警察、消防が救助活動を行っているが自警隊が災害派遣は無いらしい。
当直室が居住区の丸山は当直陸曹と話しをしていた。
丸山の一番楽しみの時間である。
正に十人十色、様々な考え、個性、経験、そういった話しを聞くのが大好きだった。
丸山は自分の事は聞かれない限りは喋らないようにしていた。
それは日本にいた頃に同じ事を何度も喋ると言われた事が有ったからである。
丸山は日替わりの当直達から出身地、今までの勤務地、趣味、文化、勉強した事・・様々な話しが聞けた。
ドワーフの当直
エリア チューゴクゴクのエルフ達は凄まじい文化を築きあげたんですがね。
戦争や内戦で力を落として行ったのですよ。
で、台頭していくのがキューシンズ北部のドワーフ達って事なんですよ。
ほうほう!それで?
エルフとドワーフの中が悪くなったって事ですね。
ドワーフ側からすれば、戦してる間にエルフ文化は衰え、ドワーフの文化が栄えたってだけなんですがね、エルフが逆恨みってやつですよ。
まあ、ウチは司令がエルフさんなんであまり大きい声では言えませんがね。W
そう言えば、アマンノン司令はエルフでしたな。
やはり、やりずらかったり?
いや、流石に階級が違い過ぎますよ。
それに上級幹部になれば組織の動かし方を優先すれば、人種の対立など気にしてられんでしょ?私もそう思いますよ。
確かにそうですな、他にもそういった対立ってあるのですか?
うーん、はっきりとは言えんのですが、オーガと鬼、犬獣人とコボルトは似た者同士の同族嫌悪みたいな感じを受けますがはっきりとは・・
ほう、同族嫌悪ですか?
まあ、似た者同士は惹かれるか、反発し合うと言いますからなあ。
その時だった、当直幹部の若いトロールの3尉の幹部が来る。
失礼、ちょっと顔見せにね。
丸山さん、当直幹部室には来ないからね。
ええ?いやーワシは非常勤のジジイですので当直幹部室は・・
トロール3尉
失敬、ジョークですよ。
遊びに来ただけですよ。
当直
今、種族間での敬遠の仲の話しをしてましてね、オーガと鬼、犬獣人とコボルト、ドワーフとエルフみたいな。
何か有りますかね?
トロール3尉
うーん、どうだろ?
やっぱり、色の白い方々は敬遠されがちで、黒っぽいと人気ですよね。
ハーフとかは如何に黒っぽい色が出るかで相手を選んだりしますよね。
ヤポーネでは黒は正義ですからね、見ましたけど、チュアム様とか最高じゃないですか!
当直
ああ、確かに最高ですね。
あの横にいた海将って何者でしょうね?
丸山さん、知ってますか?
丸山
え?いやー、どうでしょう?
〔流石にボーイフレンドとは言えんな。〕
そこに龍が戻って来ましたと通信官から連絡が入る。
グランドにトロール幹部と行くと龍のシャナタンがいた。
お、戻ったか?
うん、今、戻った。と人型になる。
チュアムは途中で別れて来た。
多分テイトンの地にいると思う。
テイトン?って、おいおい、人型になれるのか?
寒いからあったかい所に連れて行け。
トロール幹部
ええ、どうするんですか?
取り敢えず、当直室で良いですかね?
トロール幹部
うーん、当直の上級幹部に聞いてみましょう。
はてさて、シャナタンは暖を取れるのであろうか?




