第二百七十三話 カテキン
R3・1・9(土)昼
エリア カントゥーン テイトンの地 コウトン国 アリンアケ市 アリンアケ港
水崎とバンドーンの二人はこの日の夕方にチャーター便が出港するのにあわせて港の近くで待機していた。
バンドーン
何かイベ、やっているみたいだな、折角だから少し寄ってみないか?
そう言うと国際展示場 テイトン ビックサイトを指差す。
水崎
おお、ヤポーネにもあの建物・・存在したのか?
コミケは・・・流石にやってないか。
二人は入り口の近くまで行くと入場無料と書かれた文字に引かれる。
バンドーン
お茶フェスタ2021か。
水崎
ほう、静岡出身の俺にお茶だと?面白い!
二人は中に入ると茶の香りに包まれた。
水崎
いい香りだ。
バンドーン
うん、確かに良い。
落ち着くな。
一番手前のブースの試飲コーナーで一杯頂く
カーゴシーマンのお茶だ。
水崎
ほう、甘味があるな。
確か、日本の鹿児島では知覧が名産地だったな。
次のブースでも頂く
ふむ、静岡茶に近いが香味が弱い・・が、渋味が強いような
サインタマのお茶か。
サヤマン茶?
〔ああ、狭山茶か!〕
次は?と試飲する。
うん、悪くは無いが何かが突き抜けている感は無いが・・
やすっ!安いね。
担当者
はい、こう言っては何ですが、ミエミエの地は最高級を作るのではなく、汎用性の高い、お菓子や料理に使用出来るようにソコソコの茶葉を大量生産する事で価格を抑える事に成功しました。
バンドーン
なるほど、狙いを変えたと!?
担当者
こちらをどうぞ!名産地に打って出るブランド茶です。
水崎
ほう!美味い!!
担当者
これがミエミエのブランド茶、オイセ茶です。
緑茶以外にも番茶やほうじ茶や紅茶にチャイにルイボスティーに麦茶、烏龍茶、プーアール茶と様々なお茶を飲んだ。
二人はタポタポになると気に入ったお茶を買ってテイトン ビックサイトを後にした。
バンドーン
いやー、こんなにお茶を飲んだのは初めてだ。
水崎
自分も初めてです。
そう言いながらフェリー乗り場のトイレで連れションをする。
水崎はリュックがパンパンになる程のお茶を買ったが、飲めるのか?と自問自答するが味は良いのを買ったから良いや!と思えた。
乗り場にプレートを持った男が立っていた。
プレートには「宇宙より遠い場所?」と書かれていた。
バンドーンと水崎はその集団に合流し、船に乗り込む。
船は島伝いに南下し遥か南を目指すとの事だった。
長い航海が始まったのであった。 つづく




