第二百六十三話 やらまいか精神
参照
やらまいか精神
静岡県の言葉で「やって見ないか！」「やってやるぜ！」的な意味で、チャレンジスピリッツの一種である。
ホンダ・ヤマハ・カワイ・スズキ・鈴与・はごろもフーズ・タミヤ・ハセガワ・伊藤園・POLA等の企業躍進の原動力の一つとなった言葉
黒猫の祠
R２・１２・３０（水）
エリア トウカイン シーズニングオカーンの地 ヤヤイズ国
阪本（久米）は祠の落成式に参加していた。
商店会、町内会の人々が集まっていた。
ワニ獣人の金物屋店主
阪本様の祠が完成しました、何か御言葉を！
阪本（久米）
ああ、なんだ、その、商店会、町内会とお金を出し合ってくれてすまんな。
小さいが立派な祠だ、せっかくだ、町興しにビジネスチャンスに活用しようぜ！
祠は小さいが立派な作りで黒く塗られて居た。
参道は５m程で黒い鳥居を越えると商店街の通りだった。
阪本（久米）が喋る所を初めて見る者もいて、かなり驚いている様だった。
ワニ獣人少女が友達に自慢する。
ほら、阪本喋るだろ？
阪本（久米）
おい、クソガキ！せめて「さん」つけろ！！
子供達がケラケラ笑いながら「阪本が怒った」と連呼している。
商店会長の金物屋ワニ獣人が「これ！様をつけんか」と怒ると子供達は蜘蛛の子散らすように散っていく。
ワニ獣人の金物屋店主
阪本様、すみません。
後で、よく言って聞かせます。
阪本（久米）
おお、頼むぞ。
で、年末年始の方は行けるのか？
町内会長
はい、阪本様のご指示の通りに１２月は１４日が阪本大権現祭、２４日はクリスマスイブ、２５日はクリスマス、２９日が祠祭の前祭、３０日祠祭の本祭、３１日が祠祭の後祭
１月は７日までは初詣期間、第二月曜の１１日を成人式
御守りや絵馬も交通安全、家内安全、商売繁盛、豊漁祈願、学業、恋愛、幸運、縁結びに縁切りと各種揃えました。
あっ、破魔矢の方も出来ております。
商店会長
こちらもご指示通りに本日から縁日として出店が１月７日まで出ます。
１２月３０日から３１日は各種飲食店や製麺所、食料品店で麺類フェアーの「細く長く年越し麺を」の、のぼりも出来ました。
正月奉納としてのCM契約もバッチリです。
初カツオフェアーのチラシは出来ております。
１月３日まではお雑煮フェアーを開催します。
１月７日の七草粥にポスターは間も無く出来上がります。
それに合わせた、年末フェアーと福袋、新春セールを並行して行います。
御守りや絵馬等の特需で木工屋さんと裁縫屋さんから嬉しい悲鳴が届いております。
阪本（久米）
商店会長、黒猫スタンプカードは各店舗、準備は出来てるな？
町内会長、各家庭に配布は？
二人共、近隣国や近隣都市へのPRは出来ているか？
両会長から「出来ております」と返事がかえる。
阪本（久米）
極力、祠周辺には居るようにはする、後、合間で商店街にも顔は出すからな。
まだ、試験運用だが、これが起爆剤になる様に皆で頑張ろう！
景気が良くなり、町が大きくなって、産業が活発化し、皆の暮らしが少しでも良くなる様に！
先ずは７日まで、やってみようじゃないか！
集まった人々から「やらまいか！おう！」と声が上がる。
やらまいか精神に火が付いた瞬間だった。
次話、チュアムです。
