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武格者(ぶかくもの)   作者: 空銃(からづつ)
第十二章 猫
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第二百六十一話 マハトマ・ガンディー

怒りの炎



R2・12・25(金)夕刻

エリア キューシンズ クマモーンの地とフクオカンの地との境界線近くの国、アラシッポ国とグレートムタ国の中間地点


アビィン 亜里沙は48人の怒りの矛先として喧嘩祭の相手を努めようとしていた。


会場の人混みに紛れたチーギューンは始まりの合図を待っていた。


カーンとゴングがなると四十八人の向かい所の無い負のエナジーが亜里沙に迫る。


何故か亜里沙の体が動かない。


亜里沙

〔え、どういう事?口もきけない!?〕


チージューン

そうだ、そのまま上を向いて黙って大の字に立て。


亜里沙はフルボッコ状態に陥る。

ただ、伝説者レジェンダーとしての防御力が高いので痛いが怪我はしない。


亜里沙

〔つうっ、イタタ、どうなってるの?〕


会場は誰一人として異常に気付かない。

聖者の無抵抗主義か?と勘違いし、見る者も殴る者も涙無しではいられない。

マサッカネンやサイサイも同様であった。


亜里沙

〔ちょっと誰か?気付いてよ!〕


やがて、48人は涙を流しながら、「もう無理です、これ以上、貴女様に手を上げれません」と跪く。


後に「亜里沙の無抵抗のアガペー」と呼ばれる伝説の誕生の瞬間であった。


チージューン

はあ?なんだそりゃ?

所詮凡人では伝説者レジェンダーに傷一つ付けれんか。

ちっ・・上手くいかんな。


そう呟くとチーギューンは人混みの中に消えて行った。


亜里沙

おっつ、動けるようになった・・一体なんだったんだろう?


回りには涙を流して跪く48人とそれを見ながら感涙を流す者達・・異様な光景であった。


そして、国家主席67歳VS大統領77歳のファイナルが始まる。

互いに国の威信、国民の思い、怒り、悲しみを背負い、一歩も引けない壮絶なバトルで有る。

優に二時間は殴り合い、顔面血だらけで有る。


国家主席も大統領も互いに先に倒れる訳にはいかない。

国を背負い、人生も、政治生命をも掛けたバトルで有る。


そして、暗闇の中殴り合う二人の間に亜里沙が入る。

二人とも死力を尽くしました、国民も観光客もメディアも納得してくれるでしょう。


最後に3人で抱き合うと喧嘩祭りのグランドフィナーレを迎えた。

国家主席67歳と大統領77歳が亜里沙に小声で言う

「もう少し早く止めてください。」と言うと二人は気を失った。

亜里沙は二人を抱えながら「偉大なる二人の戦士に拍手を!」と言うと盛大な拍手に包まれた。


実行委員会からメガホンで繰り返し通達がある。

「喧嘩祭りは以上になります、引き続きクリスマス祭と夜祭をお楽しみくださいませ。20時から予定通り花火大会があります。」又、黒の女王様にはお触れにならない様にお願いします。


国家主席と大統領を医療班のベッドに運ぶと亜里沙は優しく二人を抱擁する。


亜里沙

二人共、頑張ったね。


そして、自分が身動き出来なかった事は、亜里沙教団以外には言わないでおこうと決める。


亜里沙はチーギューンの存在を思い出していた。

やってくれたわね、チーギューン!

そう言うと会場を探し回ったが見つけられなかった。

サイサイやマサッカネンも探したが発見には至らなかった。


会場内では目の前を黒の女王様が通り、感激する者が後をたたず、結果として祭の評判は鰻登りとなるのだった。

次はチュアムです。

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