第二百五十話 航空戦力
姫の策略
R2・12・17(木)朝
エリア キューシンズ カーゴシーマンの地 キリリンシマ国
スギココロンはキリリンシマ本部庁舎で所要を済ました所であった。
ふと、外を見るとお屋形様とレッドドラゴンの赤の姿が見えた。
プロレス巡業で使う解体したリングや大型天幕、畳床机等のセットを見せながらトミーマーリン姫は赤と何やら話し混んでいる。
何を話しているのだろうか?
気になったので外に出た時にお声がけをした。
スギココロン
お屋形様、赤殿、何を話し込んでおられるのですか?
庁舎から見えましたゆえ、お声がけを致しました。
赤
あっ、乙でーす。
トミーマーリン姫
おお、スギココロンではないか。
赤にどれくらいの荷が運べ、どれくらいの距離を移動出来るのかを聞いておったのじゃ
スギココロン
なるほど、巡業を手伝って貰うのですな。
トミーマーリン姫
うむ、いかにもじゃ
赤、スギココロンにもさっきの話しをしてたもれ
赤
はーい、りょーかーい。
この量の荷だとー、足で掴んで一日中は飛べるんじゃない?
キリリンシマからだと、オッキナサカやオーキナーゼン、択捉島くらい?
実際は二日は飛べるけど、安全第一で一日って感じ。
スギココロン
そんなに遠くまで運べるとは!
これはワールド巡業が可能では?
トミーマーリン姫
そうじゃ!世界に打って出れるのじゃ。
聞けば、他にも白と青が居るとの事、ならば、人運びと荷運びしてもらっても1頭は休める。
以前から思うておったのじゃが、家臣も領民もいい奴ばかりじゃ!
このカーゴシーマンの地、最大にして最高の産物とは薩摩隼人の精神じゃ!
巡業で世界各地の人々に見てもらうのが、これからの外貨獲得となると睨んで居る。
これからはマンパワーで勝負じゃ!
知っての通り、キリリンシマ国は主要産業と呼べるのはタバコの栽培と加工くらいじゃ、それも近年はタバコの売り上げが芳しくなくなってきて居る。
全当主の父上が進めておった教育都市計画も少子高齢化で先細りが必死じゃ
新たな一手をプロレス巡業に!となっても不思議ではない。
勇者殿にも今の話しと別件の話しがあるのだが・・見当たらないのじゃ
赤
別件?あーしも絡んじゃう話し?
トミーマーリン姫
そうじゃ、伝説者連絡網の構築じゃ
スギココロン
伝説者連絡網ですか・・
トミーマーリン姫
うむ、知っての通り、勇者の蒼楽殿を始め、黒の女王 アビィン 亜里沙様やサワット チュアム様に魔王 アーネサン公と伝説者は各地で影響力を持っており、実力も折り紙付きじゃ、巡業時の口利きもあるが、懇意にする事で敵にならない様にし、伝説者同士の争い防止と言った所じゃの
その中心になるのが姫だね?うん、いいんじゃない。と、勇者ソラが現れる。
トミーマーリン姫
蒼楽殿、いつの間に?
まあ、そう言う事じゃ、説明の手間が省けたのうw
林田 蒼楽
姫、その伝説者連絡網の構築ってどうやってするの?
トミーマーリン姫
先ずは二つ、これがツボと言う所じゃな
一つ目は伝説者の在所の把握
スギココロンと赤
もう一つは?
トミーマーリン姫
それを結ぶ、ドラゴンの定期航路じゃ。
高速魔法船など足元にも及ばない速度と自由な行き先
今は一般の利用は考えておらぬ、伝説者を繋ぐ事が大事じゃからのう。
林田 蒼楽
なるほど、流石は姫だね!
その航路をキリリンシマ国が発案する事で影響力も高まるし、対魔王戦の協力もしやすいね。
そこにナールトンから青と白が飛んできた。
ゆっくりと旋回すると舞い降りてきた。
全体的に身体が光っている。
白
あっ、勇者様チース!
青
乙でーす。
林田 蒼楽は青と白にトミーマーリン姫を紹介する。
赤
意外と早かったね。
なんで光ってんの?
うず潮、見た?
白
うず潮!見た見た、すっごいデカいよ。
光ってんの、あれだよ、女王様に触れてたから神獣化ってやつだよ。
赤
なにそれ、ずるい。
青
まあまあ
うず潮、うん、あれは一見の価値あるよ!
あっ、忘れる所だった。
えっと、亜里沙様達をお運びの途中、エッヒメンズの地でサワット チュアム様に偶然あって合流し一緒にナールトンへ行ったらチュアム様をアオーン・モーリンの地 ムッツン国へ送ってもらえないかな?と、24日には亜里沙様がキューシンズへ乗せてって欲しいって言ってます。
赤
意味はわかるけど、なんかめちゃくちゃな言い回しw
スギココロン
おお、お屋形様、この機会に連絡網の構築をされれば宜しいかと
トミーマーリン姫
ほう、絶好の機会じゃな
順当に考えれば、赤にナールトンへ行ってもらってチュアム様をムッツンへって所じゃのう・・
勇者殿、その間にわらわを魔王アーネサン公の所へ連れてってもらえないかの?
このドラゴン航路に魔王配下の竜王、暗黒龍じゃったかの?
是非に参入する話しをしたいの?それに魔王アーネサン殿と竜王殿に面通しもしておきたい。
その前に航路の案を皆に聞いてもらいたのじゃが・・ つづく




