第二十一話 サザンクロス
南十字星
南半球だからか南十字星が見える。
星座は同じなのか?と、思いつつ、森を進む
山根 舞子は、調味料代わりの海水を汲んだ壺と見つけた自生のドラゴンフルーツや野苺をたくさん集めて戻っている所だった。
遅くなっちまったなぁー、こんだけありゃー、二人共、喜ぶぞと足を早めた。
野営地に近付くと鉄の様な匂いがした。
「血の匂いじゃねーか!」
山根 舞子が走り込むと血塗れのザックンの姿が・・・持っているモノを落としながら、ザックンに近付き、声をかける。
おい、どうしたんだよ、大丈夫かよ!
ザックンは腫れた目を開けて、血の涙を流しながら「姉さん、御免なさい」と、小さな声で言う
今、応急処置してやっからな、後、チョット我慢しろよ、と、言う。
ザックンは首を振り、自分は大丈夫です、カニマイカンが奥に攫われて、姉さん、お願いしても・・・そのまま、気を失った。
山根 舞子はザックンを寝かせ直しながら語りかける。
何があったかわからねぇが、もう、大丈夫だ、お前が信じる、あーしを信じな!と、言い終わると奥へと続く足跡を追った。
いったい何が起きた?誰が二号を?一号を連れ去ったのはどう言う事だ?
森を走っていると泣き声が聞こえた。
「いやっす、いやっす」
離してくださいっす。
痛いっす。
と、一号の泣き声がする。
素早く走り込むとカニマイカンが見えた。
そして、立ったままのカニマイカンの両腕、両足を掴む四人の男と、カニマイカンの股間にしゃがみこんでいる男がいた。
てっ、てめぇ、と、素早く突っ込み、カニマイカンを奪いさり、距離を取る。
男達が驚く、なんだぁー!このデカ女、何しやがる。
リーダー
チッ、興が削がれるんだよ!のってきた所だってのによ、どうしてくれるんだよ?
クソが!!しょうがねー、デカイ方から相手してもらうか?
おい、野郎ども!
山根 舞子は、片膝ついてカニマイカンの目線に合わせて言った、すまねぇ、遅くなっちまって、もう大丈夫だ!と、言うとカニマイカンは、山根の袖を握って、姉さん、怖かったっす、痛かったっす、辛いっす。と泣きながら言うと、気を失った。
それを見た男達が囃立てる。
デカ女が何回目までマトモか賭けようぜ!
そりゃ、いいや、ハッハッハッ
で、その後、ガキが何人目で気付くかも賭けようぜ!
と、コッチを見ながらニヤニヤしている。
寝かせる時にカニマイカンの下腹部の服の乱れに気がついた。
そして、内モモを伝う赤い鮮血に・・・髪が逆立つ!
男達
おっ、なんだ、ヤル気みたいだぜ!
素手でか?バカが可愛がってやるぜ!
山根 舞子
テメェら、人間じゃねぇ、まだ、こんなガキに・・・小汚ぇー、獣欲を向けやがって・・・許さん・・絶対に許さねぇ!
男達に向かって飛び込む!
一番前にいた男の顔面へ拳を振りぬきながら叫ぶ!
「テメェらの血は何色だぁー!!」
まとめてUPします。




