第二百五話 幸せの側に
忍び寄る影
R2・11・2(月)朝
エリア キューシンズ フクオカンの地 キタンキュウシン国
とある公園のベンチ座り、何やら紙を見ながらニヤつく男がいた。
チーギューン
行動パターンは大体把握出来たな。
紙には下の文が見えた。
水崎
ほぼ毎日クロンサキ商店街で朝から夕方まで働き、最後に探共に報告に来る。
カッスンガー
シフト上最大1時間のズレがあり、週休2日でほぼ水崎と帰る。
トヨアッキン
土日が休みで夕方から21時頃までが仕事
ヨッシーン
朝から夕方まで仕事で土日が休み
仕掛けるなら土日だな、勝てはしないが水崎は操れる。
他の三人は操れないが、不意打ちの魔法なら何とかいける。
場所はトヨアッキンとヨッシーンの倉庫だな。
男どもには魔法は無い、カッスンガーは炎系の魔法
うん、水崎をうまく誘い出して・・クックックッ、早く見たいものだ。
そして、フードを目深に被ると、探共にジージーンとして出向く。
依頼を探していると様々な噂話しが聞こえて来る。
エルフ連合がフクオカンの地の攻略に失敗し、ヤーマングッチの地では大規模な内戦が勃発している。
黒の女王様がフクオカンとクマモーンの境界に留まり、争いを止めている。
黒の女王様が自警隊を掌握しつつある。
東からもう一人、黒の女王様が来ている。
魔王が二人現れた。
連邦と魔人が戦った。
勇者が現れた。
伝説の歌姫が復活した。
チーギューン
エルフ連合の内戦は本当だろうが、後は与太話だな。
女王が二人?魔王が現れた?しかも二人同時にw、勇者とか笑わしてくれる。
中立機関の自警隊の掌握だ?・・歌姫だとか、馬鹿も休み休みに言え。
彼は復讐の事以外に興味が無くなり、真実が見えなくなっていた。
チーギューン
まあ、奴等への復讐が終わったら、黒色教連合を潰した連邦と女王様にも痛い目を見せてやるがな。
一先ず、金は稼いでおかねばな、使うだけでは減る一方だ。
簡単な依頼をいくつか受けるのであった。
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その日の夜、カッスンガーと水崎は以前カッスンガーが住んでいた料理屋さんへ食事に向かった。
牛味噌モツ鍋を頼むとカッスンガーは親代わりをしてくれていた板長さん、板さん、女将さん、女中、常連さんに報告をしていた。
夫婦になり、子を授かったと、皆から二人は祝福を受け、水崎は揉みくちゃにされた。
明日は、職場に互いに報告し、夜にはヨッシーンやトヨアッキンと共に得意の中華バイキングで報告する予定だった。
二人は明るい未来を信じて幸せを感じていた。
夜の路地裏から店を伺うチーギューンも別の意味で楽しくて堪らなかった。
二人の幸せを木っ端微塵に出来る日が近いのが。
チーギューン
今の内に浮かれていろ、地獄を見せてやる!
次話、クノールン商会です。




