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武格者(ぶかくもの)   作者: 空銃(からづつ)
第十章 負の連鎖
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第二百二話 勇者爆誕

包囲網



翌日の夕方18:00

チーギューンは探共の隅で目立たぬ様に息を殺してチャンスを待った。

後、30分か今日は空振りか?

もう少し粘るか?・・!!・・来た!ヨッシーンだ。


ヨッシーンはこの週末で出来る依頼を探している様だった。

何か依頼を受けるのか受理課へ向かう。


躓く様に念じるがヨッシーンには通じない。


くっ、レベルは向こうが上か!


ヨッシーンは何か依頼を受け、探共を後にすると、チーギューンは慎重に距離を取り、後を追う。


倉庫街に着くと倉庫に入って行く。

中を伺うとトヨアッキンが見える。


二人共ココに住んでいるのか、手間が省ける。

トヨアッキンに念じて見るが躓かない。

ちっ、長居は無用だな。


チーギューンは宿へ向かう

水崎以外はダメか、だが奴らには魔法戦なら勝てる。

さて、どんなシナリオにするかだな、水崎にはたっぷりと苦しんでもらわないとな。


まずは奴らの行動パターンの把握に努めるか


チーギューンの行動原理は「復讐」の二文字だけだった。

場所は変わってカーゴシーマンの地 キリリンシマ国


林田はやしだ 蒼楽そら達は魔王アーネサン(山根 舞子)との会談結果を報告していた。


トミーマーリン姫と第一、第二、第三大隊長の揃った幹部会にての報告だった。

久しぶりに見ると何やら皆、緊張気味だった。


・・と言う訳で魔王様の管轄領とは友好的な関係を持てます。


トミーマーリン姫

女王様だけでなく、魔王様とも知り合いとはな、恐れ入る。

それで、もう一人の魔王・・アーチャー、その勢力が今回の連合との戦争の原因と言う事になる訳じゃが・・


第三大隊長スギココロン

アーネサン公と早めに協力関係を明確化し、アーチャーに備えるのが得策かと


第一大隊長

連邦も急激に大きくなり過ぎました。

暫くは手付かずの内政に励むべきかと。

第3大隊長殿の言う通り、アーネサン公とは同盟がよろしいかと思いまする。


第二大隊長

されど、現在、連邦政府は無期限同盟を結んだ亜里沙様の教団の存在が・・

教団の実質的な支配下のヨンコク大陸が東、ここで南のアーネサン公と同盟を結べば、キューシンズ大陸の北部の三つの地、フクンオカン、ゾンビサガ、ナガラサキを刺激するのでは?


トミーマーリン姫

で、あるの。

特にゾンビサガの地やナガラサキの地は既に国境の海岸線沿いは緊張が高まっている。

キューシンズ北部連合なる物も出来るや知れぬ。

んー、抱き込むか、飲み込むか、静観するか・・


第一大隊長

姫、静観だけはなりませぬぞ、何も手を打たぬは問題の先送りにしかなり申さん。


第三大隊長スギココロン

静観中に相手方は何らかの手を打つでしょう。

こちらも動かねばなりますまい。


トミーマーリン姫

戦が終わったばかりだと言うに、きな臭い話しじゃ。

されど、魔王の相手よりはかなり楽じゃがの


林田はやしだ 蒼楽そら

その、フクオカンとゾンビサガ、ナガラサキってのは国力はどうなの?


第二大隊長

フクオカンの地は二つの大国が有り苦戦は必死、されど、ゾンビサガやナガラサキなら、現在の連邦の力を持ってすれば、比較的御し易い相手ではあるかと。


トミーマーリン姫

しかし、これ以上、戦費は掛けとうない。

その金を内政に回したいのう


林田はやしだ 蒼楽そら

なら、非正規だけど敗残兵の活用はどう?

うちの遊撃隊のウルトラマンさんみたいに、汚名挽回のチャンスだと頑張るんじゃ無いかな?


トミーマーリン姫

!・・やはり蒼楽そら殿は違うの

それで行こう・・兵糧等の補給物資は致し方が無い。

では、総大将を蒼楽そら殿に任せてみたい。

皆、どうじゃ?


第一、第二、第三大隊長

御意


林田はやしだ 蒼楽そら

え!?


トミーマーリン姫

蒼楽そら殿は客人ではあるのじゃが、最早、連邦にとっては、無くてはならない存在じゃ。

連邦とわらわ達を導いて貰いたいのじゃ、頼まれてくれぬか!


そう言うとトミーマーリン姫と大隊長達は示し合わせた様に席を立つと蒼楽そらの前で土下座をする。


林田はやしだ 蒼楽そら

えっ、ちょ、姫!みんな、スギココロンちゃん!


一同

お頼み申します!何卒、我らが勇者に!


林田はやしだ 蒼楽そら

はー?えー!卑怯だよう、土下座なんて・・私、何も出来ないよ?


トミーマーリン姫

何を言われる。

蒼楽そら殿・・いや、勇者 ソラ殿が居らねば、黒色教連合にとっくに飲み込まれておる。

仮に生き残ったとしても財政破綻しておる。

されに残ったとしても、黒の女王 亜里沙様との協力関係など作れずに、今頃、世界中の黒色教徒から聖戦を挑まれておる。

今回も魔王 アーネサン公との外交など出来もせぬ。

初期の連邦政府の時点で、キリリンシマ国主には・・我らには、とっくにキャパオーバーなのじゃ


林田はやしだ 蒼楽そら

もうわかったから、土下座、やめてよ。

後日、サツマアゲン連邦政府は一人の女性、林田はやしだ 蒼楽そらを勇者と認定し、新たに勇者連邦と名を変えたのであった。

そして、勇者ソラの誕生と協力依頼を勇者連邦は各国、各連合・連邦、宗教組織、国際組織に通達を出した。


ヤポーネ史上初の勇者誕生であった。

次話、亜里沙です。

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