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武格者(ぶかくもの)   作者: 空銃(からづつ)
第九章 カルチャー
192/957

第百九十二話 シュプレヒコール

聖なる黒


前回からの続き


朝礼場所に着くと全自警官が乙武装で整列していた。


そのまま、カキウッチー1佐が登壇し、事の経緯を10に分けて説明する。


1 現在、この世に黒の女王様が二名顕現されている事

2 東の黒の女王、サワット チュアム様が表敬訪問中である事。

3 サワット チュアム様は共済組合の主事補で有り、自らの意思で隊員になった事

4 命令書が出ており、その通りの行動をしている事

5 西の黒の女王、アビィン亜里沙様と旧知の仲である事

6 西の黒の女王、アビィン亜里沙様と教団幹部は現在、黒色教連合の争いを止める為にキューシンズ大陸へ出向き不在と言う事実

7 亜里沙教団により謂れ無い事実で非難を受けている事

8 デモ隊が向かっている事

9 自警隊トークシーマン地方協力本部・海上自警隊コマッツシマ航空基地・陸上自警隊トークシーマン駐屯地は亜里沙教団に殉じると表明した事

10 自警隊に何ら非がない事


そして、カキウッチー1佐が降壇し、サワット チュアム主事補が登壇する。


チュアム

隊員の皆さん、お疲れ様です。

東の女王事、サワット チュアム主事補であります。

今回は西の女王事、アビィン亜里沙さんの表敬を兼ねて、この部隊を表敬訪問させて頂きました。

先ほどの基地司令の談話の通りではありますが、亜里沙教団に何か勘違いが有るようです。

デモ隊が到着次第に私、自らが誤解を解く為に対話に臨みたく思います。

万が一、千が一の場合を想定し、非常呼集で、乙武装で待機となり、隊員の方々に負担になった事が残念であります。

対話の結果、亜里沙教団やトークシーマンの地の他部隊と戦闘状態になった場合は・・私が先頭に立ちます!


ここで、ざわめきが起こる。


こう見えても、私は伝説者レジェンダーで武格者です。

武神アーベンと戦った事もあります、安心してください。

ただ、隊員の皆さんにおかれては、正当防衛時は躊躇わずに行動されたい。

聖戦は我らにあります。以上、皆さんに聖なる導きを!


チュアムが手を合わせると、カキウッチー1佐が「気を付け」の全隊号令が掛かると、かしらなか!の号令が掛かった。


部隊の士気が一気に上がる。

そして解散となると、隊員は乙武装、各隊所定で日常業務に移行する。


司令室にカキウッチー1佐、センガワ海将、ブックシーマン海将補、ツカンヤーマン事務官、サワット チュアム主事補が集まる。


カキウッチー1佐

驚きです、予定に無かったお言葉、痺れました!


チュアム主事補

ケジメとしての私なりの言葉です。


予定に無かったチュアムのアドリブは下の二文だった。

「対話の結果、亜里沙教団やトークシーマンの地の他部隊と戦闘状態になった場合は・・私が先頭に立ちます!」

「聖戦は我らにあります。」

である。


窮地のトークシーマン航空基地と北トークシーマン分屯地にしてみれば、勇気100倍、100%勇気の御言葉みことばである。


ただ、センガワ達からすると女王を擁立した軍事クーデターに見える。


センガワ海将

チュアム様、本当に先頭に立って戦うのですか?


チュアム主事補

あくまでも、対話後に戦闘になったら、ですよ。


ツカンヤーマン事務官

しかし、あのアドリブは心臓に悪いですな!ホントに「どきっ」としました。

こんな刺激的なのは初めてです、チュアム様に付いて来た甲斐が有りますよ。と苦笑いをする。


ブックシーマン海将補

こうなったらどこまでも突っ走るしかないですね。

お供致します。


そして、デモ隊が近づいたと情報が入る。

二手に別れてマツンシゲン飛行場を取り囲むように進む。

飛行場内にある二つの部隊は逃げ道は無くなった。


チュアムはセーラー服姿で、閉じた正門ゲート近くでデモ隊を待ち構える。


遠方よりシュプレヒコールが聞こえてくる、「チュアム様を返せー!」、「女王様を利用するなー!」、「自警隊、反対―!」等の怒声が迫っている。


武装した民衆は怒りに身を任せ危うい状態だ、まさに一触即発である。


閉じたゲート前にデモ隊の先頭が付くとチュアムは隊員達を下がらせる。


デモ隊が正門ゲート近くの褐色の少女に気付く


あっ、アレを!亜里沙様と同じ装飾品に御召し物

おお、あれがもう一人の黒の女王様!お迎えにあがりました。


チュアムは閉じた正門ゲートに向かい走り出すと大きく飛び上がり、一回転すると、ふわりと門の上に降り立つ


デモ隊から、「く、黒いおパンツが!」と声が上がる。


チュアム

誰がおパンツを見て良いと言いましたか?


デモ隊の者達が慌てて下を向く、気勢きせいを剥ぐのに成功した。


隠れて見ていたカキウッチー1佐が「イエス!ナイス黒いおパンツ!」とガッツポーズを取ると、センガワ海将とブックシーマン海将補にシバかれる。


チュアム

私が東の黒の女王にして、海上自警隊員のサワット チュアムです。

責任者はどなたですか?


デモ隊から、驚きの声が上がる・・海上自警隊員!?

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