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武格者(ぶかくもの)   作者: 空銃(からづつ)
第九章 カルチャー
181/957

第百八十一話 魔法の言葉

相関図( )内は見た目です。

久米=オケール108歳 (オーク)

娘 ケリン82歳 (オーク)

孫 ラッカン56歳 (オークとコボルトのハーフでトロールと間違われる)

曽孫 アシオン29歳 (見た目セキセイインコ獣人)

嫁 カガーソ26歳 (大柄オーガ)

玄孫 ミクミン5歳 (肌も薄緑色のグリーンアイのグリーンヘアのグリーンガール)

異世界レビュアー



ポンシンユウ大陸 エリア ホクリクン ニューガッタンの地 サドンガ島 サドン国


話しは少し遡り、ミクミンの勝負デビュー服を取りに行ったR2年10月5日(月)の話しである。


108才を迎えてから鼓動がかなりおかしい、動悸が酷くなる時が多い、残された時間は少ないとオケールの体が教えてくれている。

久米はこの体で拾った命と思えば致し方が無いと思えた。


夕方に久米オケールとミクミンはアシオンの帰りを待って、服屋に赴いた。


道中、アシオンとミクミンに説明をする。

ミクミンの勝負服が作られており、それを受け取り、着替えてデビューをする。

ついでにアシオンもデビューする。


アシオンとミクミンは対照的な反応を見せる。

ミクミンはテンションアップし、ミックミンにしてやんよ状態である。

アシオンは緊張で言葉が少なくなり、キョドり出した。


久米は空手道の本部長経験者として見て、アシオンはガチガチのダメぽよと見てとった。

店に着く頃には緊張が治っていれば、それでいいと思いつつ歩くと店が見えてくる。


店内に入ると響めきと共に迎え入れられた、店にはぎゅうぎゅう詰めに人が入っていた。


久米オケール

シークレットコンサートの筈なのに、どう言う事だい?

デビューだからお手柔らかにと言ったはずだよ。


店主

すみません、オケールさん、家族の誰かが洩らしてしまい、かなり、帰ってもらったのですが、店内の人達は客だと言い張って・・


アシオンはセキセイインコ顔なのに顔色が悪くなってしまい、ミクミンも緊張してしまった。


久米オケール

買い物しない人は帰ってもらいなよ、多過ぎだよ。


店主

皆、スカーフや手拭いなりハンカチなりを買ってくれて・・


久米オケール

全く、仕様が無いね。

本番前の度胸試しと割り切るよ、ミクミン、アシオン、いいね。


返事が無い、雰囲気に呑まれてしまったようだ、取り敢えず、初音ミクの服を受け取り、奥の簡易ステージ横の着替える為の個室に入る。

ミクミンに服を渡す。


久米オケール

ミクミン、この服、わかるかい?


ミクミン

うん、妖精様の服。

電子の歌姫 初音ミク様の衣装!


久米オケール

今からミクミンは初音ミク様のご加護を受けるんだよ。


ミクミンは落ち着きを取り戻したが、まだ、少し固く、アシオンは倒れそうな勢いでピヨっている。


久米オケール

仕様が無い、よくお聞き、二人に耳元で魔法の呪文を教える。

アシオンが先発だよ、ステージに立ったら魔法の言葉を腹に力を込めて叫ぶんだよ!

それで上手く行くから、行ってきな、オケールの曽孫でミクミンの父なんだろ?


覚悟を決めたアシオンは頷くとステージ上に立った、そして、息を吸い込むと魔法の言葉を叫ぶ

「俺の歌を聞け!!」

そして、憑き物が取れたかの様にマンウィズを歌いだした。

周りを圧倒するパワーボイス、激しいリズムに店内のボルテージは一気に最高潮になる。

そして歌い終わると、センキュー!と言いアシオンが着替える個室に戻ってきた。


アシオン

オケール婆さん、有難う、最高だあ!

ミクミン、お前のソウルをぶつけて来い!


久米オケール

魔法は効いた様だね。

(変わり過ぎだろ、バサラ降臨かよw)


着替えたミクミンは頷くと勢いよく飛び出し、ステージ上で両手を広げ、魔法の言葉を叫んだ

「みんな、抱きしめて!銀河の果てまで!」

そして店内をミックミンに染めて戻ってきた。


ミクミン

場は盛り上げてきたよ!

見せてあげて、オケール婆ちゃんの歌の力を!


久米オケール

大トリは任されたよ、行ってくる。

(二人とも熱いじゃないか!)


熱気が包む店内のオーディエンス達は爆発しそうな勢いだ。


久米オケールはハミングを始める。

♪ウオ、ウオ、オーー♩ウオ、オー、オー♬

♪ウオ、ウオ、オーー♩ウオ、オー、オー♬


静寂が店内を包む・・


そして、スピリットの宿ったダイヤモンドクレパスを唄い上げる。

最後にお辞儀をし、戻ろうとすると目の前からアンコールの合唱が湧き上がる。

皆、号泣状態である。


そして、笑顔で久米オケールも魔法の言葉を口にする。

「こんなサービス、滅多にしないんだからね!」

そして、「ふなのり」で締めくくった。


帰路の途中、無事にデビューを済ました二人は、一皮剥けたのかの様に自信に満ちあふれていた。

その二人にアンコール用に家族で歌える曲を練習しようと持ちかける。

当然、賛成し、今日の晩餐の議題が決まると、三人はなごやかに笑い合いながら帰宅した。

御開きになり余韻に浸っていた者達はレビュアーとして語りだす。

オケールの歌を、オケールの一族の系譜の凄さを

その日の内に店主を中心に三人のファンクラブが発足する。

翌日にはシークレットコンサートは既に伝説になっていくのであった。


続く

参照

マクロス7

https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=204

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