第百七十七話 偽勇者
勘違い野郎
エリア キューシンズ カーゴシーマンの地 ニシノンオモッテー国
北の大将軍と副将軍の兄妹は野心を持ってアマアマミン国からオーキナーゼンの地に侵攻し、本島の1/3及び周辺の諸島を手にしたが・・結果としてアマアマミン国の全てを失い、同盟国のニシノンオモッテー国に落ちのびていた。
兄妹の立場は非常に厳しい状況だった、後難を恐れたニシノンオモッテー国政府の議会は政治亡命を拒否し、客人どころが一般の旅行者でも無く密入国者扱いで監視者付きだった。
将軍
ニシノンオモッテーは分かっておらん、相手はあの女!あの魔王は我らが居ようが居まいが侵略の魔の手は直ぐに伸びて来る。
副将軍
偉大なる将軍様、その通りで有ります。
我らが独自に動かねばならないでしょう!聞けば、アマアマミンの親愛なる同志、国民達は魔王配下の暗黒竜による統治で苦しめられているとの事
偉大なる将軍様の一刻でも早いお戻りを同志、国民達は待っているのです。
将軍
わかってはいるが、今は時期尚早である。
監視も有り、自由に動けぬ今は上手く奴らを使うしかあるまい。
副将軍
既に3組が向かっておりますので、何らかの成果が出るのでは無いかと思われます。
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所変わってアマアマミン島 北部
三号は魔王と暗黒竜を討伐にきたと言う愚か者の相手をしていた。
勇者見参!悪の暗黒竜、覚悟しろ!
三号
勝手に悪認定しないでくれるかな?
そもそも、何で悪なのかな?
何も知らないんじゃ無いの?
自称勇者
無駄だ!悪の言葉に耳は傾けぬ!観念しろ
三号
えー、話しを聞かないダメな人って事?・・老害?
自称勇者
黙れ、俺様は18歳だぞ、老害だ!?許さんぞ!
三号
なんて言うかさ、年齢関係無くてさ、精神老害?
自称勇者
おのれ暗黒竜、許さん!
そう言うと大剣で斬りかかってくる。
三号は素早く飛び上がる。
自称勇者は卑怯だぞ、降りて来い!と宣う
三号
やっぱり精神老害じゃないですか・・
敵対の意思が無い相手に、話せる口があるにも関わらず、意志の疎通を図る事なく斬りかかるって・・精神老害どころかサイコパスだね。
そこに御大将が現れる。
山根 舞子
なにやってんだよ、三号!
構いやしねー、やっちまいな!こんなバカはどっかで調子に乗って同じような事やって死んじまうんだから。
国防だよ、国防!防衛行動ってヤツだ。
三号
姉さん、了解で有ります。
自称勇者は暗黒竜に吸い込まれそうになったが、それは勘違いであった。
上空の暗黒竜の腹が膨らみきると口元に眩しい光源が現れると、白い光線が口から放たれた。
正確には超高温のフャイヤーブレスだった、温度が高過ぎて白色になっていた。
魔王アーネサンの命令で、龍王の本気のフャイヤーブレスだった。
山根 舞子
ヒョー、やるじゃねーか、三号!
地面がドロドロに溶けてんな、バカも痛みも感じずに逝けたんじゃねえ?
三号
良かったんですかね?溶かしちゃって・・生捕りにして情報収集した方がいいような。
山根 舞子
攻撃してくるヤツには徹底抗戦の三倍返しが基本だろ?
それに情報は既に手にしたからOK!
あーしの所にも自称勇者のパーティーが二組きたからな、全部聞いてから、ぶっ飛ばしやったぜ。
何が勇者だ!アバンストラッシュとかギガデインとか、やって見せろってんだよ!
三号
何処から送り込まれてるんですか?
やっぱり、ニシノンオモッテーですか?
山根 舞子
ああ、その通り、北のバカ将軍だ。
前回の侵略だけでは飽き足りず・・アホが!
領空侵犯だけなら許してやっても良かったが、今回のはダメだな。
馬鹿な探求者を勇者と焚き付けて送り込みやがって・・三号!今から成敗しに行くぞ!!
三号
はい、分かりました、背中にお乗りください。
〔領空侵犯は違うんだけどなあ・・あーあ、逆鱗に触れちゃった・・ニシノンオモッテーはここまでだね。〕
魔王を乗せた暗黒竜は北へ向かい静かに飛び立つのであった。
次話、タケユディーンです。




