第百六十九話 天空の覇者
錦江湾
クマモーン城を後にしたタケユディーンは南極大陸を目指し、カーゴシーマーンの地の上空を南下していた。
眼下には海、左手には活火山が見える。
しかし、先程の虎のマスクをした伝説者、只者では無いな。
身体能力だけで無く、戦いかたを知っている。
何らかの武格者と見て間違い無いだろう。
我が主人の覇道の障害になる前に排除せねばなるまい。
思案しつつ高速で飛んでいると、いつの間にかタネガン島やヤック島を過ぎていた。
飛ばし過ぎたな、私とした事が・・先程のタイガーマクスに危機を感じて焦っているだと?
今日はどこか適当な島で休むかと島々を見ていると巨大な飛行物体が視界に映る。
何だアレは?・・ドラゴンだと?
で、デカイ!
三号
そんなに急いでどこに行くのかな?
〔ニシノンオモッテー方面から来たけど、北の将軍絡みかな?〕
タケユディーン
貴様には関係の無い事だ。
三号
そうでも無いんだよね、ココから先はアマアマミン龍王国、僕が任されている国だからね。
タケユディーン
何?ま、任されているだと!
(50m以上は有りそうな黒龍を使役している者がいると言うのか?)
三号
龍王としても勝手なマネはさせないよ、魔王アーネサンの名の下にね。
タケユディーン
なに?魔王だと!
不敬だな、我が主人、至高なる御方以外に魔王を名乗るとは!
三号
不敬?その言いぐさが失礼極まり無い!
そもそも、至高なる御方って誰?
名も名乗れ無い者に魔王だなんて言って欲しくないね。
タケユディーン
きさまぁ!我が主人を愚弄するなど万死を持っても償えんぞ!
三号
先に失礼なのは、そちらでしょ?
魔王アーネサンの偉業も知らないくせして、名無し魔王の配下が偉そうにさ。
タケユディーン
黙れ、我が主人、偉大にして至高なる御方の御名は魔王アーチャー様だ!
南の大陸を統一した真の魔王様だ!
三号
はあ?聞いた事も無い南の島の話しをされても・・
ふー、あのね、そもそも格が違うの!魔王アーネサンはね、創造神でもあり武神のアーベンと二度に渡って戦い一本取ってんの!
神をも倒さんとする方なの!
その気なればこんな星、直ぐに支配出来るの!わかった?
タケユディーン
なっ、アーベン神と・・だと
三号
どうしても、押し通るって言うなら覚悟はして貰うよ!
そう言うと巨大な火炎を爆発音と共にと上空に吐く!
あまりもの熱量に強力な上昇気流を生み出し、大量の雷雲と雨雲を呼び寄せた。
暫く対峙するが背後に雷鳴と雷光を背負う巨龍にタケユディーンは勝てる道理が無いと気付く。
タケユディーン
くっ、覚えておれ!と言いつつ東に飛ぶ、大きく迂回する為に・・
おのれ!何だあの龍王とか言う黒竜の化け物は?
魔王アーネサンだと?
次から次へと、まったく、なんて日だ!
東の空、遠くに消えたのを確認して、三号はスクランブル発進での一部始終を報告する為にアマアマミン国に戻る。
山根 舞子と一号が夕食後の散歩していると、空から声が聞こえた。
三号
姉さーん!北から変な奴が飛んで来ました。
山根 舞子と一号は経緯を聞く。
山根 舞子
へー、南極大陸に人が住んでんのか!
これは、ワンチャン北極大陸も人住んでんな。
そして、北と南の真上に大陸が有るのを地面に棒で地図を書いて教える。
一号、三号から流石、姉さん物知りっすね!と言われて上機嫌になる。
しかし、魔王アーチャーか、どんな奴何だろな?
次話はカミヤンリョと餅太郎メインです。




