第百六十八話 笑う男
クマモーン国攻防戦
キューシンズ大陸 クマモーンの地 クマモーン国
アビィン亜里沙の教団と林田 蒼楽所属のサツマアゲン連邦は黒色教連合を飲み込みながら、本拠地のクマモーン城を包囲した。
別れて行動していたサツマアゲン連邦の全軍が揃った。
途中、降伏や恭順、合流した敵部隊や諸国の部隊を編成しつつ膨れ上がった連邦はヤポーネ史上、空前絶後の大軍になっていた。
既に1000万人を超える軍は圧巻であった。
トミーマーリン
これ程の大軍を率いる事になるとはのう。
壮観じゃと言いたい所じゃが、兵糧のやりくりが心配じゃのう。
マサッカネン殿、一気に包囲を縮めたいのじゃが、亜里沙様にお聞き願い奉りたく存ずる。
マサッカネン
わかりました。
アビィン 亜里沙
姫、良いですよ!やっちゃって!
マサッカネン
亜里沙様、折角、トミーマーリン姫がお伺いを立てているのに・・
姫、だそうです。
トミーマーリン
話しが早ようて助かりまする。
では、各将軍に取り掛かれと下知せよ!
アビィン 亜里沙
姫、蒼楽さん、かなり前に攻めこんじゃったよ。w
トミーマーリン
えっ?またしても!、ったく、蒼楽殿は早過ぎる!
ふー、では、我々も行きますか。
林田 蒼楽率いる遊撃隊は拠点のクマモーン城に潜入していた。
林田 蒼楽は水堀を飛び越え、城壁をひょいひょいと駆け上がり、城門の守備部隊に大軍の威を借り、降伏させると門を開けさせて、遊撃隊を呼び込む。
遊撃隊の副将、タンナンカーンは城門の守備部隊に敵将は何処か?と聞くと予想だにしない答えが返ってきた。
自軍の将が誰なのか知らず、見た事も無いと口々に答える。
林田 蒼楽
どう言う事?見た事も無いって
タンナンカーン
では、誰からの命令で動いておったのか?
守備部隊長は伝令で何時も動いていたと言う。しかも、伝令は何時も違う者が来ると言う。
タンナンカーン
林田様、何やら解せぬ話しですが、如何なされますか?
林田 蒼楽
待ってても進展しないから先に進もう!
遊撃隊に降った守備部隊長が我らは?と聞く
林田 蒼楽は何人居るのか聞くと守備部隊長は60名を率いているとの事だった。
林田 蒼楽
遊撃隊は私を入れて12名・・守備部隊長、今から貴方はウルトラマンね。
そう言ってウルトラマンのお面を渡す。
ウルトラマンさんは守備部隊兵の黒鉢巻を外させて
ウルトラマン
承知仕りました。
林田 蒼楽
今からお面持ちは家臣持ちって事で宜しく。
ウルトラマンさんは5名づつ分けちゃってください。
こうして、お面持ちは5名づつの兵を持ち、遊撃隊は新たに73名となった。
そして、林田 蒼楽はタイガーマクスを被り、皆を率いて城の内部に入る。
林田 蒼楽
人の気配がしないけど・・ウルトラマンさん、誰か他に見た?
ウルトラマン
伝令が何人か来ましたが・・
クマモーン城内を上に進む、天守閣の下まで来るが誰も居ない。
ウルトラマン
そんな馬鹿な!城門は閉じていたのに、伝令達は何処に?
天守閣に登ると一人だけ誰かいる。
林田 蒼楽
やっといた!
総大将さんでいいのかな?
???
我が名はタケユディーン、至高なる御方の忠実なる僕
林田 蒼楽
えー、総大将は何処に居るの?
タケユディーン
それは黒色教連合の総大将と言う事か?
林田 蒼楽
そうに決まってんでしょ、何なのいったい!
タケユディーン
クックッ、あっはっはっは
タンナンカーン
何がおかしい!
タケユディーン
おかしいさ、おかしいに決まっているだろう?
黒色教連合の総大将なんて最初からいないんだよ。
ウルトラマン
なっ?どう言う事なんだ・・
タケユディーン
まったく愉快だよ、ここまで来て気付かんとはな!
我が偉大なる至高なる御方が、お前らが言う所のヤポーネにお出になられる前の実験として黒色教連合を作り、操作し、データ収集をしていたと言う事だよ!
黒の女王や伝説者が現れるイレギュラーが発生さえしなければ、そのままお前らを飲み込んでやれたんだがな、まあ良い。
タンナンカーン
お前一人がこの大戦をおこしたと言うのか?
タケユディーン
そう言う事だ。
ウルトラマン
その、至高なる御方とはどこに?
タケユディーン
偉大なる至高なる御方の住処は、お前ら如きには知り得ない遥か南の地におわす。
少し喋り過ぎたか、では、また会おう。
そう言うと天守閣から飛び降りた、慌てて林田 蒼楽達は身を乗り出すと、先程まで無かったグレイの羽を羽ばたかせると凄まじい速さで飛び去った。
林田 蒼楽
今のタケユディーンって人は獣人か何か?
皆、首を振りながら口々に呟く、まさか、魔人が存在するなんて・・
林田 蒼楽
〔魔人って言うのか、かなり強そうな感じがしたんだけど・・)
取り敢えず、姫に報告ね。
遊撃隊は城外に出るとスギココロンの第三大隊に出会す。
城が落ちた旨を伝えるとスギココロンは残念そうな顔をした。
二人が話していると、遠くに姫率いる第一大隊がやって来るのが見えるのだった。
次話は三号が活躍です。




