第百五十七話 路線バス
収穫
ドドサンコ大陸 アサヒンカワ国〜シーベッツン国 中間 ワゴッサム市の南部
丸山 岬丸は、カミヤンリョと餅太郎が共同経営する、道の港 カミ太郎にいた。
二人共、元気そうであった。が、餅太郎がかなり太くなっていた。
理由を聞くと安定した生活と、運動量の低下だった。
ひまわりはしっかり育ち、夏はひまわり迷路が大好評で、お土産や販売品は品薄状態が続き、中々の売上が出たので、二人は旅館経営の勝負に出ると、コレも当たった。
近くにシオンカリー温泉があり、原泉を使えた事が大きかった。
総従業員十五名になっていた。
来週にはひまわりの種の収穫が見込め、そろそろ冬の準備に入るとの事だった。
そして、アサヒンカワ国へ戻る日の事である。
丸山 岬丸
に、しても、餅太郎!
太り過ぎじゃ、冬眠するにしてもじゃ!渇じゃな。
餅太郎
うっ、わかってはいるんでしゅが・・レディに対してキツいでしゅよ。
それに冬眠はしないでしゅ
カミヤンリョ
何か運動をしないと、探共で依頼でも受けてみますか?
餅太郎
でしゅね。
丸山 岬丸
まぁ、それだけ経営が上手くいっておるんじゃな。
カミヤンリョ
そうなんですよ、他にも道の港を作りたい所です。
丸山 岬丸
ほう、場所はどの辺りに?
カミヤンリョ
やはりナヨローン国からワッカナイン国の間ですね。
国は人口が多いですからね。
その両国と間の中立都市からの人の出に期待したいです。
餅太郎
でも、少し距離が有るんでしゅよね。
皆が自分くらいのスピードで移動出来れば良いのになぁ
丸山 岬丸
ん・・はっ、来たコレ!
定期陸路じゃ!
餅太郎、人を荷台に乗せて、安全に移動をするとして、ワッカナイン国からアサヒンカワ国までどれくらい掛かる?
餅太郎
うーん、3日は掛からないと思うでしゅ。
丸山 岬丸
なら、主要国の自警隊や探共前に停留所を作って、途中、乗り降りさせてなら?
餅太郎
三日でしゅね。
丸山 岬丸
道中、必ず、道の港で一泊するとして、5日・・
カミヤンリョ!アサヒンカワ国からワッカナイン国は人の足なら何日じゃ?
カミヤンリョ
半月くらいです。
丸山 岬丸
道中の中立都市や町で停留し、ゆとりを持って6日間の定期陸路でどうじゃ?
カミヤンリョ
素晴らしい!
来るのを待つのでは無く、こちらから呼びに行くんですね。
しかも、公共性がかなり高いですね。
丸山 岬丸
うん、その通りじゃ!
公共性が高いから、自警隊や探共も停留所を設置させてくれるじゃろ!
さらに、道中様々な特産品を購入し、道の港で販売じゃ。
餅太郎
流通革命でしゅね。
荷車を作らないといけないでしゅね。
あっ、でも、もうすぐ冬になって雪が・・
カミヤンリョ
やはり、雪中は移動出来ないのですか?
餅太郎
全然大丈夫でしゅが、荷車の方が・・そりと車の二種類を上手く運用しないと、でしゅね。
丸山 岬丸
うーん、車輪部分の接地面を大きく広げて、ソリ見たいにして、雪中では車輪をロックし、ソリにする事は可能じゃろうか?
カミヤンリョ
その案、良いですね!あとは、耐久性ですね。
早速、試作を依頼しましょう。
餅太郎
実際にワッカナイン国〜アサヒンカワ国を何人か乗せて実験しないとでしゅね。
カミヤンリョ
そうですね、試作車で実験して、時間とかのデータ取りしてから時刻表を作るって事ですね。
丸山 岬丸
なら、従業員の慰安旅行を兼ねて行くといいんじゃないかの?
餅太郎
それは一石二鳥でしゅね。
新事業発足に向け熱い話しが終わると、三者でランチを取り、再会の約束をする。
そして、アサヒンカワ国に戻る丸山 岬丸の顔は晴れ晴れとした顔になっていたのであった。




