第百四十八話 たんこぶ
UP、遅くなりました。
息抜き
林田 蒼楽とアビィン 亜里沙はサツマアゲン連邦と亜里沙の教団と共に移動していた。
オオイッターの地を巡り、各国の恭順を聞き入れ、現在、ヒッタン国に入り、今日の宿を取る所であった。クマモーンの地は南下して1日半と言った場所である。
林田 蒼楽とアビィン 亜里沙の二人の顔は曇っていた。
先ほど、アキバでアーベン神に、やられたからである。
二人以外は誰も居なくなっていたのには気づていなかった。
何故なら時間軸上は、ずっと一緒にいたからである。
ヒッタン国の国府庁舎の建物に厄介になる事が決まった。
時刻は15時であった、アビィン 亜里沙と林田 蒼楽は、どちら共無く、顔を合わせていたが、会話は無かった。
二人共、次は一本とは言わないが、技有り程度は取れると自惚れていたからである。
蒼楽
何か、ごめん。
口ばっかで・・気絶させられて、カッコ悪いね。
アビィン 亜里沙
そんな、私こそ、御免なさい。
ラリアートで後頭部強打して、飛んじゃた。
何か、思ってたのと全然違くて・・
蒼楽
軽く、やってみない?
異種格闘技戦って感じで
アビィン 亜里沙
そうですね、やりましょう!
このままじゃ、反撃有りのアーベン神に触れる事すら出来ない。
蒼楽
そうだね、永遠に帰れないとか、そんなのイヤ!
強くなりましょう!
タカショタが偶然、通り掛かると人だかりが出来ていた。
タカショタ
なんだろ?あっ、アレは!
高速で試合う亜里沙と蒼楽の姿が見てとれた。
あまりにも早く、手足がブレて見えた。
二人の試合は自然と想定戦となった。
ラリアートを食らったアビィン 亜里沙は、打撃を距離を取る為に打っていた。
すれ違い様の攻撃を阻止しつつ、重い一撃を狙った。
対する林田 蒼楽は、大技からは入らず、打撃を恐れずに組みつく事を課題とした。
突きや蹴りの有効打の間合いの外から捌きを主体にし、一気に組み伏せようと狙う
結果として、互いに触れ合う様な距離を狙っていた。
隙を狙い合う、一瞬、狙いが重なると、二人は一気に踏み込む!
意図せず、二人は頭突きをし合う、バッティングと言うやつだった。
ガン!と、互いに弾き合うと尻餅をつく。
頭を押さえて相手を見ると、同じく頭を押さえていた。
周りから、おぉー!と声があがる。
二人は「痛ぁーい!」声をあげると、笑い合った。
気付くと、姫、マサッカネン、スギココロン、ヒーデキン、タンナンカーン、タカショタ、サイサイと多くの者達が見物に集まっていた。
亜里沙がいたた、と、頭をさすりながら喋る。
いつの間にかいっぱい集まってますよ、蒼楽さん!
林田 蒼楽
つぅー!・・ホントだ、いつの間に?
皆には良いガス抜きになった様だった。
見たか?あの早さ!
最後はヘッドバットの相打ちになるとは、思いもしないよな?
ひゃー、あんなに強い方々と旅をしてるんだぜ?たまんねーな。
十人力どころか、百人力だな!リアルだぜ?コレ!
オレ、林田様にプロレス習ったんだぜぃ?凄いだろ?
俺、亜里沙様と一緒に戦った事、あるんだぞ!
等等、ワイワイ、がやがやと、盛り上がった。
二人が頭を摩りながら建物内に下がっても、盛り上がったままだったが、暫くして小雨が降り出して来ると、熱が下がったかの様に皆、建物内に入るのだった。
夕食時にタンコブの二人は姫やマサッカネン達からアノ技は?この技は?その間合いからだと、と、質問攻めにあうのだった。




