表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武格者(ぶかくもの)   作者: 空銃(からづつ)
第七章 提督の決断
139/957

第百三十九話 赤い彗星

北条 氏政公



水崎(みずさき) (えい)は、しっかりと確認した。

アキバで一緒だった久米と言う男が森に斜めに突っ込むのを!赤いジャンパーが鮮やかに見える。


赤い彗星かよ!


そして、水崎は自然と落下現場へ走り出した。

パージメン、エイッチャー、ツートンも走り出した。


中々、現場が特定出来ずに彷徨くと、パージメンの声がする。


パージメン

おった、こっち、こっち、はよ!


現場は悲惨だった、虫の息の久米が仰向けになっていた。

左肩から先は無く、右足も膝から先を欠損、左足に至っては股関節から先が見当たらない。

右脇腹から骨が数本突き出ていた。

右手は骨は見えているが何とか付いていた。

まさに血だるま状態に近かった。

息が有るのが奇跡的だった。


水崎(みずさき) (えい)

えっと、久米さん?聞こえる?


久米(くめ) 慶人(けいと)

あ、ああ

アキバで一緒だった、水崎君?


水崎(みずさき) (えい)

ええ、そうです。

あのステータス内に何か、助かる方法があるかも?

ステータス、みました?


久米(くめ) 慶人(けいと)

見たが無い。

お願いがあるんだが・・


そう言うと、アキバの裏路地で買った、かなり長いネジを右手で自分心臓の上に立てる。


久米(くめ) 慶人(けいと)

すまない、痛くてたまらないんだ・・その棒でネジの頭を叩いてくれないか?

ステータス内に転生があるから、ギリ殺人じゃ無いから・・さ


パージメン

顔見知りみたいやし、楽にしたったら?

かなり、痛い筈やで・・


水崎(みずさき) (えい)

ホントに転生するんだな?


久米(くめ) 慶人(けいと)

本・・当だ、すまないが・・楽にさせて、くれない・・か?


水崎(みずさき) (えい)

わかったよ、気は進まないけど・・行くぞ!

頭の中で弾ける様な音がした。


アキバの木の棒を振りおろすと、久米は痛みから解放された、そして、遺体が光り出すとネジや持ち物の全てが消えた。

遺体と服はあるが、持ち物やリュックが消えたのだった。


水崎(みずさき) (えい)

えっ?伝説者(レジェンダー)って死んだら持ち物、残らないのか?それとも彼だけ?


ツートン

服以外は消えた、どう言うことや?


とりあえず、バラバラの手足を集めて四人で穴を掘り埋めた。


水崎(みずさき) (えい)

酷い話だ、いきなり転移したら、流れ星かよ。

島だったオレは運が良かったんだな。

転生って言ってたけど、記憶や経験値、消えた持ち物はどうなるんだろう?


後で、この事をアビィン 亜里沙(ありさ)林田(はやしだ) 蒼楽(そら)に知らせないとな。


四人は現場を跡にし、野営地へ戻り、一部始終を皆に伝え、夕食をとり、夜に備えた。


順番で見張りをらし、夜明けを迎える。


そして、朝食時に水崎は気付く、ん、美味い。

特に汁物は出汁の取り方が絶妙だった、関西風の味噌や醤油に頼らない、絶妙な合わせ出汁が水崎を唸らせる。

無口な長兄のケイジーンが口を開く、ほう?水崎はんの口に合うみたいやな、もう一杯、どないや?


水崎は遠慮なく頂いた。


水崎(みずさき) (えい)

こんなに美味しい味噌汁は久方ぶりです、もう一杯いけそうです。


カオルーン

水崎さん、味噌汁は二杯迄にしとかな、バカ殿超えてまうで?


水崎(みずさき) (えい)

ははは、そうですね。

〔あっ、何か聞いた事が有ったな、ご飯に味噌汁をかけて食べる時、味噌汁が足りないともう一杯かけるやつだな、誰だったかな?まあ良いや、ただ、食時に無頓着なだけだったかも知れないし〕


久しぶりに食べた、ご飯と味噌汁と沢庵が美味かった。


転移後、強制飛行で、ろくな食時も出来ずに逝った久米が不憫だと、ふと思う水崎だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ