第百三十一話 文民統制(シビリアン・コントロール)
統幕
ポンシンユ大陸 カントゥーンエリア テイトンの地 シンジュークン国 イチンガヤン市
自警隊の陸海空を統べる機関、統合幕僚監部が所在する。
そこに、オオミナトン地方総監部の一部におかしな行動が見られる。と、一報が入ったのは、数日前だった。
情報本部の解析官の報告では、黒の女王様を擁立しクーデターを起こす恐れ有り、既に隣接する本部の事務方を始め、陸上の第2、第9師団、第5、第39普通科連隊、第9偵察隊や航空の第3空団、海上自警隊トークシーマン航空基地、各地本や共済組合本部、支部、外郭団体、民間企業、OB、OG、知人等を始め、「檄を飛ばしている」可能性が有る。
一概には信じられない情報で有った。
今回の中心人物と見られるセンガワ海将は温厚で、安全策重視の守りを徹底とする保守派であり、冒険的な事をするとは思えない。しかも、来年、定年退官を迎える。
動くには遅すぎるのでは無いか?と、情報分析官を始め、誰しもが感じていた。
分析官、自らが、誤報の可能性大と言っている。
しかし、その中で誰かが言う、もし、彼が動いたとすれば、確実な勝算が有っての事では?と・・
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暫くすると新たな情報が次々と入って来る。
そして、誤報が誤報を呼ぶ。
現在、複数の伝説者がおり、相互に連絡を密にしている。
第二師団は秘密裏に伝説者を抱えこんでおり、戦闘指揮権(武格特別顧問)の一部を与えている。
伝説者が、一部の連邦政府内の重要な位置付けに有る。
黒の女王様は二人で、東西に分かれ分割統治を始めている。
既に探共組織内部に大きく入りこんでおり、ウマルチャン支部やキタンキュウシン支部をはじめ伝説者の支配下にある。
伝説者により攻め落とされた国はキューシンズ大陸南部等に無数にある。
商人達の組織(クロンサキ商店街振興組合)が伝説者に付いた。
モンスター(3号や餅太郎)までも使役しており、紛争や戦争(ナゴナ国)において、戦果をあげた。
伝説者による新たな統治機構(アマアマミン国)が行われている。
騒つく統合幕僚監部内では、既に遅すぎたのか?や、情報統制していたのか!、事務方まで手を回しているとは!、中立組織の盲点をセンガワに突かれた!や、本部はどこまで侵食されているのか?と、声があがる。
急遽、統幕長の空将 ハランマサンの命で統合幕僚会議を実施し、現状の敵味方の識別から行う事になった。
最大の誤報は全ての話しの中で、センガワ海将が裏で糸を引いていると思われている事だった。




