第百三十話 御褒美
情報漏洩
アサヒンカワ駐屯地 司令室
公文書を手に思案するのエルフの男がいた。
陸上自警隊 第二師団長のアマンノン陸将である。
海上自警隊オオミナトン地方総監部第34号
令和2年8月18日
伝説者登用に係る情報の協力依頼について
この度、オオミナトン基地において伝説者登用を試みており、アサヒンカワ駐屯地の伝説者登用実績を参考としたく資料協力を願いたく思います。
任務中でお忙しい中とは思いますが御協力を願いたい。
海上自警隊オオミナトン地方総監部
海将 センガワ
うーん、海将、自らの名前で通信を使い、仮の公文書を送ってきた。
急ぎと言う事にしても、何かが、引っかかる・・
そもそも、丸山殿の情報をどこから手に入れたのだろうか?
丸山殿の扱いは部隊秘扱いのはずだったのだが?
センガワ海将は数回、顔を合わせた事は有るが・・文体も気遣いしておられるし、まぁ、特に問題は無いか。
副官に対して、資料の送付を命じると、アマンノン陸将は他の書類に目を通しだす。
その数日後、センガワの元にはアサヒンカワ駐屯地からの資料が届いていた。
そこには、ツカーンヤーマン事務官、オチアイン3尉を含めた三人が資料を覗きこんでいる所であった。
オチアイン
なるほど、日当制の臨時職員としての採用ですか。
ある程度、自由の有る隊員扱いですね。
ツカーンヤーマン
当直室に居住する事により、所在も確認しやすく、点呼も楽ですな。
センガワ
武格特別名誉顧問か、上手くやるな第二師団長は!
陸さんが採用した「相撲」とは何だろう?
ヤポーネには何故か相撲とプロレスが存在して無かった。
ツカーンヤーマン
陸上が採用すると言う事は、かなり優れた武格でしょうな!
オチアイン
伝説者の丸山 岬丸殿が顧問と言う事は、伝説者の世界の武格ですな、チュアム様ならご存知かもしれませんね。
ツカーンヤーマン
今日の夜、チュアム様にそれと無く聞いてみます。
それはそうと、伝説者は古来より人智を超えた強さを持っていると、言われていますがチュアム様もお強いのですかね?
センガワ
うーん、聞いただけだが、チュアム様はムエタイとレスリングを嗜まれるとか?
たしか、お付きのマサンヒトンさんとトヨコーンさんは、教わっているとか?
オチアイン
何にせよ、我らは臨時職員の武格特別名誉顧問では無く、共済組合職員としてで問題は無さそうですね。
ひとまず、ゴールが近付きましたね。
ツカーンヤーマン
おっ、前祝いに土曜日辺り、一杯、行きますか!
センガワ
あっ、いいね、焼き鳥、食べたかった。
オチアイン
右に同じです。
ツカーンヤーマン
焼き鳥?美味い店があるんですか?
センガワ
あぁ、チュアム様のお墨付きなんだよ。
ツカーンヤーマン
ほう、それは楽しみですな!ワッハッハ
コレで今週も頑張れますよ。
ツカーンヤーマンは大酒豪であり、呑んで歌ってが専門だが、焼鳥には目が無かった。
対して、センガワとオチアインはちょびちょび派で食べる方が好きだった。
何は共あれ、しっかり運動をしてから、酒や肴や食事を旨く頂くのが自警隊では王道であった。
三人共、今週はしっかり走り込んでから行こうと考えているのであった。




