第百二十話 E.YAZAWA
事案?
サワット チュアム
アレっ!?カエルさんじゃないですか、自警隊の方だったんですね。
センガワは、居ても立っても居られずに、やって来てしまったのだった。
女王様に逢うのに、道中、手ぶらで来ているのに気付き、花屋で真っ赤な薔薇の花束を買い、人伝に渡して貰おうと、持っていた。
センガワ
あぁ、チュアム様、御、自らお越し頂けるとは・・と、片膝をつき、お礼を伝える。
サワット チュアム
カエルさんが海上自警隊の使者さんなんですが?
センガワ
いや、あっ、お逢いしたく、表敬訪問に・・アポ無しで、すいません。
サワット チュアム
えっ、いえいえ、別に良いんですよ、少し、驚いちゃって、表敬訪問って事は、カエルさんは偉い人なんだね。
センガワ
あの、自分はオオミナトン総監部のセンガワと言います。
サワット チュアム
センガワさん?って、一番偉い海将の人?
センガワ
はい、そうです。が、お気になさらず、好きにお呼びください。
そして、センガワは、トチ狂って話しだす。
チュアム様に恋した事、だから、一生懸命に受け入れ準備をした事を・・
最後に好きです、受け取ってくださいと、真っ赤な薔薇の花束を差し出す。
センガワは、これで恋が終わるのを確信していた。
59歳のジジイが孫の様な子に相手にされる訳も無く、ましてや、相手は自分以上に立場のある人物
最早、甘い夢を終わらせる為の告白だった。
サワット チュアムには、目の前のセンガワと名乗るカエルが可愛いく見えていた。
えっ、何、ケロッピ?
前にも思ったけど可愛い!
ファニーでファンシーで献身的で好意的な存在が堪らない。
何か、そんなキャラクターにしか見えない。
そのキャラは、片膝をつき、真っ赤な薔薇の花束を差し出し、目を閉じている。
チュアムはゆっくりとセンガワに近付くと、花束を受け取って、優しく抱きしめる。
甘い香りとふくよかな存在がぴょん吉・・センガワを包みこむ。
サワット チュアム
私も好きですよ、まずは、ボーイフレンド、ガールフレンドから始めましょう!
センガワ
えっ?良いのですか?こんな、自分でも?
サワット チュアム
カエルさん、だから、良いんですよ。
センガワの両目から大粒の感涙が流れ落ちる。
センガワ
幻でかまわない、時間よ、止まれ。
サワット チュアム
何を言ってるんですか?止まったら仲良くなれないじゃ無いですかw
センガワ
ゲコっ、その通りですね。
〔あぁ、我、生涯の想い人を得たり!〕
襖の向こうでは、黒の女王サワット チュアム様の凄まじいハニトラに舌を巻くマサンヒトンとトヨコーンだった。




