第百十四話 長湯
江戸っ子かよ?
センガワは湯船の中で溶けそうな程に体中の筋肉が弛緩して行くのを感じた。
「ふーっ」たまらんな。
副官
申し訳有りません、自分は暑いのが苦手で、先に出ます。
センガワ
おっ、そうか、了解、了解
もう少し、浸かってから行くよ。
副官は湯から上がっていった。
センガワ
〔うーん、どうも長湯になるな、特に温泉だと、いかんなぁ〕
ふと、横を見るとトロールが真っ赤になっている。
センガワ
長湯が好きなんですか?
トロール
ん、はっはっは、貴方と同じく長湯派ですよ。
センガワ
ほう、何故、私が長湯派だと?
トロール
あんたも、私と一緒で、緑色のクセして真っ赤だからだよw
センガワ
そうですか、そいつは気付きませんでしたよ。
自分は初めてなんですが、ここは、よく、来るんですか?
トロール
いやぁ、自分も初めてでしてね。
ヨンコク大陸から転勤での移動中なんですがね。
こちらにも、黒の女王様が現れたって聞きまして、なんでも健康や医療に特化したお考えとか?
腰を痛め気味なんで、肖ってみようと思いましてね。
センガワ
えっ、こちらにもって、ヨンコク大陸にも黒の女王様が現れたんですか?
トロール
ええ、トークシーマンの地、ナールトン国に現れたんですよ。
センガワ
ほう、その、ナールトンの女王様はどんな方ですか?
トロール
自分も遠目に見ただけでハッキリとは言え無いのですが、スレンダーで、かなりの高身長で、トロールの男性位は有りましたね。
ナールトンの女王様はアビィン 亜里沙様とおっしゃて、戦争を止め、他宗教も手厚く保護し、難民支援等を行なってましたね。
センガワ
ほう、同じ女王様でも、こちらのサワット チュアム様とは違った行動をされるんですね。
トロール
サワット チュアム様がムッツンの女王様ですか?
センガワ
ええ、そうです。
背は私より、少し高いと言った所で140cm台で、何というか、お胸が豊満と言うか何と言うか・・
トロール
ああっ、なるほどです。
実り豊かなんですね。
センガワ
ええ、そうですね。
ナールトンからココまで来られて、最終的にはどちらまで行かれるのですか?
トロール
あっ、自分はナールトン国からでは無く、その南に有るマツシゲン市から来ました。
ゴールはこの国のオオミナトン市です。
センガワ
うん?海上自警隊の方ですか?
トロール
ほう、よく、わかりましたね。
センガワ
海上自警隊の方、多いですからね。
〔後で会うのだろうな、取り敢えず、名乗っておくか!〕
いやー、色々とお話しを聞けて、楽しかったです。
ムッツン国に越して来たと言う事は、また、会うかも知れませんね。
申し遅れました、自分はセンガワと申します。
見かけたら、気軽に声を掛けてください。
トロール
あっ、恐縮です。
自分はオチンアインと言います。
こちらこそ、見かけたら、気軽に話しかけてください。
ふー、いやはや、長湯し過ぎました、茹で蛸状態ですので、御先に失礼します。
センガワ
あ、これは引き留めて、申し訳無いです。
自分も上がりますか。
真っ赤になって、脱衣所で体を拭いていると、キンキンに冷えた、お茶が出される。
柿の葉に少し薄荷が入った健康茶だった、身体に染み込む、火照りを抑える為にお茶を何杯も頂きながら、着替えて先に進むと、カーテンの開かれた空き部屋のマットにうつ伏せになると、一気に眠気に襲われて、寝てしまう。
失礼しますね。と、マッサージ師が入って来た時には鼾をかいていた。
マッサージ師は紙を見ながら、肩凝りが有って、首と腰周りね。と、言うと、マッサージを開始しますね、痛かったら言って下さいね。と、マッサージが始まった。
センガワは夢心地の中、身体中から凝りが無くなって行くのを感じた。
痛気持ち良い!これが奇跡の施術か・・
半分、夢現つのセンガワだった。
参照
海上自衛隊徳島教育航空群
https://www.mod.go.jp/msdf/tokusima/




