敗北
1番ショート南将吾 (三年生)
2番セカンド佐々木優斗 (二年生)
3番ライト広瀬幸人(三年生)
4番レフト山口亮太(三年生)
5番ピッチャー香山雄也(三年生)
6番センター真木航(二年生)
7番サード 澤田直樹(三年生)
8番ファースト庄司俊平(三年生)
9番キャッチャー三浦義人(三年生)
全員登場の予定無かったのですが、試合展開を書くとみんな登場してしまいました、お疲れ様。
負けること
まだ入団したばかりの俺たちには衝撃的な光景だった。
めちゃくちゃ上手い先輩達の夏がたった2日目で終わる、いつもお調子者な先輩達が泣き崩れる。
俺たちはただ黙って見ていることしかできなかった。
東北大会三回戦 藤崎シニア(宮城)対白神シニア(青森)
先発はエースの香山先輩、白神シニアもエースの130キロこえの球を投げる本格派右腕。
試合は初回の守りに動いた。
3番打者の詰まったあたりの三塁線のゴロを捕球した澤田先輩の送球がズレてエラーに。
その直後4番が2球目に少し高めに浮いたスライダーをセンターオーバーまで持っていくタイムリースリーベースで、一点を先制する。
次の5番も三遊間を抜けていくヒットで初回に2点を先制された。
そこから4回までに3点とられ、試合は5-0となる。
心の中で俺たちは、先輩達が負けるはずがない、すぐ逆転すると思っていた。
5回の裏、6番の真木先輩から試合は動いた。
インコースへの変化球を捉えライト戦への二塁打で出塁。
7番の澤田先輩は四球を選び無死一二塁
8番、細身長身の右打者、庄司先輩ポジションはファースト
低めの変化球をバットの先ですくい上げ、ショートの頭を越し、満塁に
無死満塁、これ以上ないビッグチャンス
9番でキャッチャーの三浦先輩右打者
セカンドゴロの間に真木先輩が生還し、一点を返す。
打順は1番にかえり、南先輩左打者
高めのボール気味のストレートはじき返し、センター前ヒットで一点を返す。
フライ気味のあたりだったため、二塁ランナーは帰ってこれず。
その後の佐々木先輩のショートゴロの間に3塁ランナーが帰ってきて3点目
この回3点を取り、反撃開始にみえた。
「やっぱすげえな、下位打線からすごい繋がったな」
「もう追いつきそうな勢いだったもんな」
「次の回亮太先輩からだし、追いついてほしいな」
そんな会話をしていたにもかかわらず、一振りで流れを変えた瞬間を見た。
二死から5番の左打者
初球の高めのストレートがライトスタンドに突き刺さるソロホームラン
これにより3-6となり、この一点が重くのしかかった。
6回の裏の攻撃は先頭の山口先輩が四球を選び、5番の香山先輩がライトフライ
6番の真木先輩はエンドランを仕掛けるもサードゴロで二死二塁
7番の澤田先輩が意地のバッティングを見せ、バットの先ながらファーストの頭上を越えるタイムリーヒットで2点差に。
自分のエラーから失点が始まった、そのことをなんとか取り戻したかったと、試合後のミーティングで話していた。
3打数1安打1四球1打点の活躍
再び2点差となった。
そこで投手の交代、左のスリークウォーターの軟投派
この投手のカーブ主体のピッチングに最後まで翻弄されてしまった藤崎ナイン
4-6でゲームセット、藤崎シニア三年生の夏はここで終わった。
「お前たちは全国でも戦えるくらいのレベルだった、この大会のお前らは本当に強かった。だから胸を張れ、情けなくなんかない、立派な選手達に育ってくれた、おつかれさま。」
いつも厳しい監督の優しい言葉に涙の止まらない三年生達。
「こんなすげえ仲間がいて、この最高のチームを引っ張ってきたこと、誇りに思う。
一年生二年生に俺たちが行けなかった神宮の夢を託す、頑張れ、おつかれさまでした」
キャプテンの山口先輩が涙ながらも語ってくれた。
キャプテンで4番、チームを引っ張ってきた先輩から託される夢
どれだけ野球を頑張ればこの先輩達でも行けなかった全国へ行けるのか、想像もつかなかった。
小島悠輝
山里少年団出身 同期
右投げ左打ち
外野手
身体能力が高く、長打力もあり、肩も強く、脚も速い。
小学校のころはエースで4番だった。
普段はヘラヘラしてて、何かしらボケないと気が済まない。常に誰かと話して笑っている。
おそらく同期の中で1番成績が悪い