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パンドラの記憶  作者: どくたけ
序章
1/5

動揺

どうしたらいいのか答えが見つからない。そんなことがこの世界には少なからず存在する。


こんなはずではなかった。そんなことも誰しもが経験することだ。


でも、まさか私の人生が突然こんな風になるとは思っていなかった。何かの間違いに違いないと思いたかった。


決して順風満帆ではなく。色々なものと戦ってここまで来た人生だった。いじめにも裏切りにも遭ってその原因が自分にあるのか相手にあるのかは別として、それでも不遇な人生だったと思う。

よく自殺せずに乗り越えてきたなと思う。


(あれ?でも私、どうやって乗り越えてきたんだろう?)


人はストレスを感じる過去は消去していくことで正気を保つという、記憶にも生存本能が干渉するのだというのを何かの本で読んだ記憶がある。


(きっと、それなんだろう。)


つい最近も両親を事故で亡くした。


そのダメージから立ち直るのには長い期間を要したが、親が財産代わりに遺してくれた生命保険もあって、ようやく『普通の』人生を送れると思っていた。


まだ仕事は見つかってないけれど、ハローワークに通って正社員になれるように頑張っている。


(それなのにどうして?)


この混乱のきっかけは、ようやく落ち着いた人生を総括すべく、自伝を書き残そうとしたことだった。なんだかこの頃流行ってるやつだ。


ところが、ところどころの記憶がない。


それぞれの時期にピークであろう感情の記憶が抜け落ちていて、自伝を書けない。


元々記憶力は悪い方ではないから、小さな頃からの記憶は日付や天気まで覚えているものもある。


(どうして?なんで思い出せないの?)


必死で記憶を辿っているうちに、私は一抹の不安に教われ、そしてパニックになっていった。

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