第40話 対アリス
その後、俺の戦いになったが危なげなく勝利する。
フォルスもまったく他を寄せつけず勝利した。
そして、ベスト4が出揃う。
俺、アリス、フォルス、レミエスの4人だ。
俺たちの戦いが始まる前に5位以下の順位決定戦が行われた。弱点が完全にばれていたミョーちゃんは8位になった。
そして、フォルス対レミエスの戦いが始まる。
勝者はフォルス。両者は実力はそこまで離れていなかったが、俺の目にはすべてに於いて、フォルスがレミエスを1段階上回っていたように見えた。
そして、俺とアリスの決闘が始まる。
アリスにフォルスとの賭けの話はしていない。アリスには余計な事を考えさせたくないと俺は思ったからだ。
「胸を借りるつもりでいくわ。絶対に手を抜かないでくださいルド」
「ああ、本気で行くよ」
俺には絶対に負けられない理由がある。今回は手を抜くとも言ってられない。まあ、アリスは手を抜いたほうが逆に怒るだろうから、そこは別に全力で戦ってもいいだろう。
「では決闘を開始します」
先生がそう宣言した後、決闘を始める合図が鳴り響いた。
先に仕掛けたのはアリスだ。呪文を素早く唱えて魔法を使う。あの魔法は以前俺がアリスに使った、バインドの魔法だ。
これで縛って動きを止めようというのだな。
俺は素早く魔法を唱えバインドを魔法障壁で防ぐ。
アリスは間髪入れずに中級魔法を後ろの球体に向かって撃ってくる。
それも結構何発も放ってくる。呪文の詠唱は元々かなり素早く正確で、魔法自体の威力も高い。元々大きな弱点となっていた魔力の少なさも、かなり改善されている。
少なくとも俺の目には、アリスは学院生レベルならトップクラスの実力を持っている生徒と見て間違いなかった。
ただ、俺を倒すのはまだ早い。単純な実力の問題だ。精度、威力、スピードなどがまだ俺ほどではない。
俺はアリスの放つ中級魔法をすべて正確に魔法障壁で防御した。
その後、単純に中級魔法を素早く撃ち、球を狙う。
アリスは何とか耐えているが、結局の所、俺の方が威力もスピードも高い分、どうしても一歩アリスが遅れてしまう。
最終的に中級魔法がアリスの球に次々に当たっていき、球が青色から赤色に変色した。
その時点でタイムアウト。俺の勝利が決定した。
俺はこれといった策を使わず、単純な実力でアリスを下した。
「やっぱりまだまだルドには敵いませんわね。もっと練習しないと」
アリスも真っ向勝負を望んでいたみたいで、晴れやかな顔をしていた。
「でも、前より全然強くなってたよ。頑張ったなアリス」
「ルドに褒められると少し照れくさいですわ」
アリスは顔を赤らめる。その姿は犯罪的に可愛かった。
俺達は決闘場を2人で出る。そして、
「あと、10分後3位決定戦を行い。その10分後決勝を行います」
と先生が宣言した。
10分後アリスとレミエスの戦いが始まる。
実力は互角。ただレミエスはフォルスに負けた影響で気持ちが腐っていたのか、その分、詠唱のスピードが少し遅い。
最終的にその少しの差が勝敗をわけ、アリスは見事3位となった。
そして、その10分後、決勝が始まる。
「いやーアリスって子強いね。なんでアルバレスなんかにいるんだろう。うちに来ればいいのに」
フォルスはそう言った。
「まあ、黒髪はいらないけど」
俺の実力をある程度見てもそういうか。
こいつは黒髪と言う存在を絶対的に見下しているようだな。
「約束忘れてないだろうな」
俺はそう尋ねた。
「覚えているよ。そっちこそ負けた後、やめたくないなんて、泣きつかないようにね」
フォルスは挑発するようにそう言ってきた。
その後、先生の合図で俺とフォルスの決闘が始まった。