第31話 一個目発見
「あ、クリスタルあった」
俺たちはクリスタルを探し森の中を歩いていた。幸先良く、クリスタルを一個発見。木と木の間に落ちていた。
クリスタルは透明で、赤くはない。
「赤くはないわね」
「透明のクリスタルか。一点だけど、まあ見つけられて良かったか」
幸先良く1つ獲得できた。俺たちはさらにクリスタルを求めて探索を行う。
「えー……1番近くのクリスタルはこっち側だな」
2つ目のクリスタルを求めて歩く。
「あ、またあった」
「結構簡単に見つかるわね」
透明のクリスタルをまた見つけた。今度は分かりやすい場所に落ちていた。
いや……待てこれは……
アリスがクリスタルに近づき拾おうとする。
「アリス、拾うな!」
「え!?」
俺が大声を出して止めたので、アリスは驚きながら手を止める。
「な、なんで拾っちゃ駄目なんですの?」
「いや、実は罠があるって言ってたからさ。こんな分かりやすい場所にあるなんてなんか怪しいと思ってね」
「……そう言われればそうですわね」
「ちょっと見てみるよ」
周囲に罠があるかどうか探知する魔法もある。
トラッププローブという魔法だ。俺はそれを使う。
「罠を見つけ出せ」
マジックプローブとは、違う板が出現する。大きさ的にはマジックプローブの板の半分くらいだ。
それを見ると、クリスタルが落ちている位置あたりに、赤いバッテンが表示される。罠だという印だ。
「あれはやっぱり罠みたいだね」
「そうなのですか……危なくかかってしまいところでしたわね」
「次からは分かりやすい場所に落ちているクリスタルは、警戒しないとな」
俺はトラッププローブを消す。
トラッププローブはそこまで広範囲にかけることが出来ず、近くにあるのしか探知出来ない。
罠っぽいのがあったら、その都度探知魔法を使い直す必要がある。結構めんどくさい。
自分が動けば勝手に探知範囲も動くようになればいいんだが、そうはならない。動いても、自分の位置を示す矢印が中心からずれるだけで、探知範囲は動かない。
まあ、俺はマジックプローブの方では、森全土を探知出来るから、そっちではいちいち使い直さなくていいので、ほかの生徒たちよりかは楽である。
てか、俺たち以外の生徒は魔力量勝負になるかもなこれは。
探知魔法って結構、消費魔力多いからなぁ。
ほかの生徒たちのこと気にしてても仕方ないか。
急いで他のも見つけよう。
それから、俺たちはきちんと罠は避け、順調にクリスタルを集めていった。
「だいぶ集まったな」
「うん、もう20個はあるよね」
開始から1時間後。
ほかの生徒たちが、どのくらいのペースで集められているのかわからないので、なんとも言えないが、結構早いほうなのではないだろうか
ただ、高ポイントの赤いクリスタルがないのは、少し気がかりではある。
「この辺にあるそうですわ」
アリスが探知魔法の板を見ながらそう言った。
確かに探知されている。ただ、少し見ただけではどこにあるか、分からない。恐らく隠されているのだろう。
こういう時はだいたい、本物のクリスタルである。一応罠探知魔法を使ったが。結果は罠ではないとのこと。俺たちは一生懸命クリスタルを探す。
のだが、見つからない。どこにもない。隅々まで探した筈だが……
なにか探知を妨害するものでもおいているのか? と思っていると、地面に箱が落ちているのを発見した。