私の運とはなんなのか
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夢を叶えよう。
叶えたい夢がないのなら、本当の夢を見つけることを夢として、この世界を生きてゆこう。
きっと、夢を追い求めるその先に、私たちの生きる意味がある。そう思うんだ。
けれども、その生きる意味は、秩序や常識、そして科学とか自然の摂理から外れたものやらに囚われては見つけられない。
そう、ある意味ではほかの座の奴らは、それを我々に教えたかったのかもしれない。
彼らが意図しなくても、それが宇宙の意志だとしたら、私はそれに抗えるのだろうか..。
「 」の日記より。
ーーーー
「よいしょ..っと。」
その場の勢いでワープした私は、とりあえず辺りを見渡してみる。
だが、何故だろう、ここは霧が深くてどこにいるのかが分からない。
地面があるのにふわふわするこの場所。
少なくとも私がこの世界を視た時の場所ではないことは確かにわかった。
「うーーん。」
けれどもここで止まっていては埒が明かない。
そう思った私は、まっすぐの方向に歩いてゆくことにした。
ーーー
数時間後。
「.....。」
何分も何分も、何時間も歩いても霧は相変わらず私の前に立ちはだかり、そこから自分が抜け出せそうな気配もない。
それにひたすら歩いているうちに、なぜだか頭がクラクラしてきた。
まるであの時この世界を視た時に感じた違和感そのものが、私を酔わせているようだ。
原因はこの霧だろうか..?
他の座のものはこれをなんと言ったっけ。
確か..魔力とか何とか..?
そんなことを思っている最中にも、霧は容赦なく私を酔わせてゆく。
「うわ..詰んだ。」
こうして私は、この世界に来てから1日もたたないうちに気絶したのだった。
ーーー
「....。」
意識が覚醒していく感覚に、私は無意識に手で周りの感触を確認する。
..ふわふわする。布団だろうか?暖かい。
安全ってことがなんとなくわかった私は目を開き起き上がった。
そして今一度あたりを見渡せば、そこには私を囲むようにみすぼらしい姿の人々が私を囲んでいる。
ちなみにここは家の中ではなく、裏路地の行き止まりに布団を敷いただけの場所のようだ。
...心底気まずいこの状況だが、何かしないと何も始まらない!私は思い切って口を開く。
「あのー..。助けていただいてありがとうござます?」
やば、肝心なお礼が疑問形になった。けどまぁ通じればいいだろう。
お礼を言うと、その人々の中で1番偉そうなおじぃさんが1歩前に出て、こう言った。
「いやはや..魔力に酔ってしまう若者が今どきいるとは..世も末じゃな...」
..なんだかすごく地味に侮辱されている気がする。
...だが、助けてくれた人なのだ。私は笑顔を崩さない。
「あぁ。あの霧はやっぱり魔力の塊的ななにかでしたか。ともかく、ありがとうございました!」
笑顔を崩さない私を見、じぃさんは鼻で笑う。
そして衝撃的なことを言った。
「ふん。あのあと酔っ払ってヘラヘラしてるお前さんを連れてきたのだ。愚痴とか聞かされたこの身にもなれ!というかなんだ?あんな森にいるなんて、お前には家が無いのか?」
「え..待ってくださいヘラヘラしてたんですか!?」
衝撃の事実。私はガチで酔っ払っていた事件。
けれどもおじぃさんはそれを無視すると、どうなんだ?という目でこちらを見つめてくる。
心なしか後ろにいる人達もなんか私を見て笑っている事から、かなりやばそう、なんだか恥ずかしい。
ーー私のプライド的にも、先にそれを、何があったかを教えてください..!!!!
その言葉を一旦飲み込み、とにかく平然を装って私は話を続けた。
「家?家は今のところないです。森にいたのは、偶然です。好き好んであんなところ行くわけないですよ?!」
「........。」
私の力説..?に何故か真顔になる彼ら。
後ろにいた人達も突然ニヤニヤ笑いを失うと互いに顔を見合わせ始めた。
え..なに?怖い怖い。
「えちょ..あのぅ..??え?」
「.....。」
無反応な彼らに、ちょっとコミュニケーションを取ることがトラウマになりかける。
「あ...。失礼しました..」
そうして謝った、その直後。
「うおああああああ!!」
あのじぃさんがガッツポーズをして飛び上がり始めた。なんだ何だ、ぎっくり腰なるぞやめとけ!
だが、本人はそんなこと気にしていない様子。
「仲間が増えたぞ!我々の仲間が増えた!ホームレスが増えたー!」
じぃさんの言葉を待っていたかのように後ろの人たちも万歳を始める。
「いやったあああああ!!!」
「えええええ...。」
渾沌なこの状況。
訳の分からぬまま、私は皆に迎えられ無事?ホームレスの仲間入りをすことになった。
この世界に来てはや1日。祝。ホームレス。
...あれ?私の目的は何だった?この星を自分の領土にするんじゃなかったの?
あれ?え?まさかのホームレスからのスタート..?
「え、え、?ええええええ?!」
....こうして私のホームレス生活が幕を開けるのでした。
読んでいただき、ありがとうござました_(:3 」∠)_