第一章 -少年期 あ~軽音部編-
翌日、佐藤そうはよそよそと学校へ向かっていた。
早川たけしがもしベースをすでに上手に弾いていたらどうしようとただそれだけを恐れ道を歩いていた。
「ロンドンナイツ」のギタリストはなぜあんなに上手にギターを弾けるのか佐藤そうにまったく理解できなかった。
よそよそ歩きをした少年の肩をいつもの彼の手が叩く。
早川たけし「おはよう!そう」
佐藤そう「おっ、おはよう」とスローモーションで振り向いた。
早川たけし「昨日の映画観た?」
佐藤そう「観てない」
早川たけし「スパイダーマン2だぞ!おまえ好きじゃーん」
佐藤そう「そうだな」とそっけない返事をした。
そんな話をしたいんじゃないだろうたけしよ!楽器の練習成果が聞きたいのだろう!
あーまったくだよ!まったくうまくなってないよ!
これでいいのだろうたけしよ!(すべて佐藤そうの頭の中です。注)
早川たけし「ギターはどう?」
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!やっぱりこれか!これなのか!
佐藤そう「あー!あれね!まあまあかな!」
早川たけし「ええー!まさかもう上手くなったの?す、すげーじゃん」
たけしよ!なぜそう持ち上げるのだ!これでは上手くなってると言うしかじゃないか!
佐藤そう「まあな!たけしは?」とさぐりをいれた。
早川たけし「俺はドレミファソラシドの練習してるよ」
えっ!もうドレミファソラシドが出来るのか!どれだけ練習したのだ!
佐藤そう「昨日は練習どれだけしたの?」と再びさぐりをいれる。
早川たけし「3時間だよ!手がボロボロだよ~!」
3 3 3 3時間もーーーーーーーーー!!(ちなみに僕(佐藤そう)は12分)
佐藤そう「へぇー!(棒)」と魂が抜けたような声で言った。
この後の会話はダメージが大きすぎて覚えておりません。
学校に着いてから今日は更にショックな出来事が、
どうやら密かに想いを寄せている鶴井結子さんが病気でお休みらしい!
なぜ、今日は僕は学校に来たのだ!もう帰りたい!
今日の僕の目標はどれだけ机で眠れるかを挑戦することにした。
不毛な時間が過ぎ、終わりのチャイムが鳴った。
僕は机から起き上がり急いで教科書をカバンにしまって教室を出た。
廊下にはいつものように早川たけしがニコニコして立っていた。
早川たけし「そう!今日は軽音楽部を覗きにいかないか?」
佐藤そう「行こう!」
こうして二人は軽音楽部を覗きに音楽室へ向かった。