表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ハジキ、撃ちます!

作者: めるかでぃあ

タイに旅行した時の射撃経験をつらつらと。次回作で銃を持ち出そうと思ったため、思ったことをそのまま書いておきます。

ちなみに50発9000円ほどで、物価を考えればやや高め。弾代というよりも安全性への値段でしょう。

タイはバンコクのタイ国軍射撃場でぶっ放してきたので備忘録。

撃ったのは45口径、9mm、38口径、AK-47.銃に詳しくないので種類はタイ国軍射撃場でggること。




とにかく手の中で暴れる。適切な例えが思い浮かばないが、近いのは木づちで真正面からぶん殴られるような衝撃。単純に腕力不足か。一発撃った後は構えて照星を除くだけで反動を思い出して身が固まる。


45口径… 初めにコイツを撃ったのが悪かったかもしれない。とにかく衝撃が腕と肩に残り、トラウマじみたものを残していったため、もっと小口径の銃を撃つときでも身構えてしまう。連射はかなり辛い。マガジンに弾を詰めるのにも少々力がいるが、慣れると左の親指で抑えながら右手で押し込む形にすればよいと気付く。教官からのアドバイスは「照門と照星を的に合わせ、トリガーを引くときはユックリ(ここだけ日本語)」。アドバイス通り少しずつ右の人差し指を引いていくのだが、いつ来るともしれない射撃の衝撃に備えて筋肉がこわばる。引き金を引いた瞬間にハンマーで持った銃を殴られるような衝撃が来て、銃口がブレる。押さえつけようと意識してもかなり難しい。瞬間的に顔に押し付けられる火薬のにおいが心地よい。一発目は耳あてを付けずに撃ったが鼓膜に衝撃を感じるほどの破裂音。日本で撃っているような爆竹とは格が違う、聞いたこともないような轟音である。文字で伝えたいが残念なことに私の比喩能力ではこれを適切に表現することが出来ない。風船が割れたり、100円ライターをアスファルトの上に叩きつけて爆発させたり(小学生の時にやった)、そんなちゃちなものではない。とにかく聞いたことのないほどに大きく鋭い破裂音だった。ちなみに重さはまさしく鉄の塊といった風である。これが手の中で暴れるのだから抑えようがない.



9mmパラ… 次回作の主人公に持たせようと検討中。だが撃ってみて女の子に持たせるには少々無理があると気付かされる。やはり反動は変わらず強い。45口径で筋力を消耗したせいか、銃はなかなか重い。しかし伸ばした腕が下がるほどでもない。装填は45口径より楽。射撃時の反動はあまり変わりがないように思える。火薬の量を考えれば45口径の方が強いはずだが、慣れぬ身では違いが分からないということか。


38口径… 日本のおまわりさんが使っているもの。リボルバーである。重量はずしりと重く、銃口の方が重いトップヘビーである。左の親指でシリンダーを廻しながら右手で装填をするが、慣れぬせいでぎこちない。回転の角度が足りず、煎れようと指で構えた銃弾の先にシリンダーの穴が合わないのである。シリンダーを跳ね飛ばすように戻して格好をつけてみるが、直前の動作の素人臭と合わせると滑稽ですらあったかもしれない。構えた時の重量感はこれが一番重いように感じられた。同行した人間が先に射撃をしていたため、鉄製の本体は熱を持っている。撃鉄の真下、グリップが太くなっている部分を親指と人差し指の股で包むように握る。シングルアクションなので、一発撃つたびに左の親指で撃鉄を起こす必要がある。私の手には少し大きく親指が届きづらい。撃鉄はやや固く、起こすとカチリと音がした気がする。撃鉄を起こすとシリンダーが回転し、謎の感動。教官のアドバイス通り「ワン、ツー」で引く。全く抵抗なく力を入れるままに抵抗なく引ける部分がワン、さらに力を加えないと引けない部分でツー。そして発射である。ちなみに45口径と9mm、自動拳銃の引き金は固く、初めから抵抗があるためにどの時点で衝撃がくるか分からないという怖さがあった。こちらはその分身構えるのが楽である。

 反動はさほどでもないが、やはり銃口が上がる。二の腕を引いて強張らせて力を入れ、連射。両腕に力を込めて力づくで押さえつけた。当方タイで銃を撃つのは二度目だが、緊張で顔が汗まみれ。閉じた左目に汗が染みた。前回よりも射撃時の衝撃が強く感じるのはデスクワークばかりで身体を鍛えていなかったので、鈍ったからか。大学時代は遊び半分のテニスとランニングをしていたのだが、ここ三年は食っちゃ寝る生活である。そういう人間がいきなり銃を持ってもなかなか上手くは撃てぬものの様だ。


 10メートルほど離れた的に三丁全部で50発を打ち込んだが、的を見るとやや腹より下に着弾している。発射時に銃口が下がっているようだ。衝撃を抑えるのに必死で力を込め過ぎたか、右腕がやけに疲れていた。とにかく構えた後の反動が怖いのである。銃口をぶれないように下に押し付けようとするのだが、そうすると照準がズレる。38口径、9mmは連射も出来たが45口径は中々そうもいかない。

 余談だが、ここまでのいずれかの時点で左の親指の腹に血豆が出来ていた。熱を持ったリボルバーに触れて撃鉄を起こす際に圧迫したせいだろうか。気づいたのは拳銃をすべて打ち終わった後である。





 さて、オプションで追加の射撃が出来るため、資料の欲しかったAK-47で散弾を撃つことにした。持ってみると、鉄の塊だった拳銃とは違ってモデルガンのように軽い。ライフルのモデルガンを持ったことはないが、おそらくおなじプラスティック製ならば大差ないのではないだろうか。マガジンもプラスティックで軽い。そこに小学生の時に通学路でよく見た(当方、元つくば市民である。小学生の頃は通学路の近くに狩場かなにかがあったようで、たまに銃声が聞こえたり空薬きょうが道に転がったりしていた。今はどうなのだろうか)散弾の細長い薬きょうを掴み、押し込んでいく。ストックを肩にしっかりとあて、左手は前に突き出たグリップをしっかりとつかみ、頬を柔らかい頬あてに付ける。右手で装填レバーを引くのだが、最初の一発はカラシニコフを持った体制を維持するのに苦労した。レバーは軽く、玩具のようである。

10メートルほど先に、50センチほどの人型が並んでいる。拳銃のトラウマもありぎゅっと銃を抑え込んで、よく狙って射撃した。拍子抜けするほど、とは言わないが、上半身全てで抑え込んでいる分衝撃はかなり軽かった。硬質な音がして人型のターゲットが倒れる。

流石に散弾なら撃てば当たる勢いである。衝撃も小さくレバーは軽い。ダァン、ダァンと横に並んだ5つのターゲットを打ち倒していく。気分は攻殻機動隊SASの対物ライフルをアームスーツにぶっ放す少佐になったようだ。一発を外しただけで、それ以外はすべて的を倒した。流石に使いやすい武器である。ダグ・マルカイダ風に言えば「これは殺せるね。」というやつだ。あれはナイフや刀剣の話だが。

やはりこれも肩に負担はかかる。それまでの疲れもあって、少々肩が痛んだ。



M-16もあったが、こちらは新兵訓練用の反動が軽いものだということで撃たなかった。外見はまったく違いがないとのことだったので資料として写真は撮影したが、本物ならば一番撃ってみたかった銃だ。

カラシニコフは散弾以外に固定銃床からのスナイピングもあったが、予算の都合で断念。貧乏旅行というほどでもないが、銃ばかりに金を掛けていられない。同行者が撃っているのを見ると流石に反動はなさそうだ。スコープを覗くと、細長いためか真正面から見た時だけしか先が見えない。レンズの半分を三角形の照準が占めていて、等間隔で横線が引かれている。にわか知識だが、ガールズアンドパンツァーにあった戦車の照準を思い出す。狙うならば十字サイトよりも三角形の方が良いのだろうか。写真も撮りたかったが、素人のレンズ越しで上手くとることは敵わなかった。


とにかく反動が凄い、というのがまず第一である。曲がりなりにも成人男性をやっている私だが、もしもいきなり的を撃てと言われても当たる気はしないし、片手撃ちも辛そうだし、連射も出来ればやりたくない。パンパンとかいう漫画の軽い擬音や高校生が片手撃ちをしているような絵面はこの先違和感を覚えてしまうに違いない。本物の反動はそれほど物凄かったのである。――ああ、ジャック・バウアーさんは座っていてくれ。言いたいことは分かるが平均以下の日本人である私にとっては、の話だ。

ちなみに聞いた話だが、ハワイなどの観光客向けの射撃場は火薬の量を減らしているそうだ。この備忘録を読んだ射撃経験者が首をかしげても、そう言った理由があると言い訳として言っておきたい。むろん、そうでないところも多いだろうが。


これも備忘録の一部だが、射撃場の事務所の近くの両替屋はレートが良い。解説や案内をしてくれた事務員は元自衛隊員で、自称それなりのポジションにいたそうで、聞かれれば豆知識やら裏話やらを教えてくれると言っていた。今回は時間がなかったが、次回のために追記しておこう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ